2000 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞の分化に関わるポリラクトサミン鎖含有糖タンパク質の解析
Project/Area Number |
12672133
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
福井 成行 京都産業大学, 工学部, 助教授 (30218888)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒坂 光 京都産業大学, 工学部, 助教授 (90186536)
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Keywords | ポリラクトサミン / PC12 / PC12D / 糖タンパク質 / 神経突起形成 |
Research Abstract |
PC12細胞とその変異細胞であるPC12D細胞を用いて、神経細胞への分化の過程で生じる細胞表面のポリラクトサミン(PNAL)糖鎖生合成量の減少について、PC12細胞では他のがん細胞の場合と異なってβ1-3GlcNAc転移酵素活性の活性低下がその原因であることを明らかにした(Glycobiology,2001,in press)。 神経細胞への分化の過程で神経突起の形成に先立つPNAL鎖合成の減少が生じることを認めたので、PNAL糖鎖を有する細胞膜糖タンパク質(PNAL-GP)の持つ生物学的な役割を明らかにする目的で、PC12細胞からPNAL鎖含有糖タンパク質の分離と精製を試みた。Triton X-114による相分離、DSA Agaroseを用いたaffinity column、ゲル濾過HPLCによって、PC12細胞由来のPNAL-GPはSDS-PAGEから分子量が85KDと63KDのスミアー状のバンドを与える二種が存在すること。Endo-β-galactosidaseによって85KDのPNAL-GPは79KDと67KDに、63KDのPNAL-GPは55KD、46KD、35KD、(29KD)に低分子化され、PC12細胞のPNAL-GPには結合するPNAL鎖含量を異にする少なくとも5〜6種類のものが含まれていることが分かった。 ^3H-Glucosamineで代謝標識された膜画分のauto radiographyから、未処理のPC12細胞では僅かにしか検出されないが、2日間のNGF刺激で増強し、PC12D細胞ではNGFの添加の有無に関わらずconstitutiveに発現されていた35KDのバンドは、63KDのPNAL-GPに由来するPNAL鎖含量の高い糖タンパク質であった。現在、63KDのPNAL-GPを主に含む画分を用いてモノクローナル抗体を作製しているところである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Fukuzumi,S.Fukui, et al: "Comparison of the expression of cell surface poly-N-acetyl lactosamine-type oligosaccharides in PC12 cells with those in its variant PC12D."Glycobiology. (印刷中). (2001)
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[Publications] 右石田健治 編: "生化学-基礎と工学 第7章生体膜と細胞工学"化学同人. (2001)