2000 Fiscal Year Annual Research Report
ホスホリパーゼA_2活性に対するセラミドの制御機構に関する研究
Project/Area Number |
12672135
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
佐藤 隆司 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40065917)
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Keywords | セラミド / スフィンゴミエリナーゼ / ホスホリパーゼA_2 / アラキドン酸 / プロスタグランジンD_2 / 血小板 |
Research Abstract |
セラミドの,細胞質型ホスホリパーゼA_2(cPLA_2)活性発現への影響を,スフィンゴミエリナーゼ処理,またはC_6-セラミド(N-hexanoylsphingosine)の添加により細胞内含量を増大させる手法を用いて検索した. 1.細胞膜に増大したセラミドが,Ca^<2+>依存的なcPLA_2の膜への親和性を増大させ,水解活性を促進させる可能性を,ウサギ血小板を用いて検索した.上記処理でセラミドを増大させた血小板をCa^<2+>イオノフォアで刺激するか,または血小板破砕液にCa^<2+>を添加した時の,膜画分でのcPLA_2タンパク質量の増大を,抗cPLA_2抗体を用いたイムノブロットから検索した.その結果,未処理血小板膜に比し,いずれの処理においても膜画分におけるcPLA_2タンパク質量が増大した.しかし,類似のCa^<2+>依存的膜移行の性質を示すprotein kinase Cはセラミドの影響を受けなかった. 2.ラット好塩基球系白血病細胞(RBL-2H3)にC_6-セラミドを添加し抗原で刺激すると,プロスタグランジン(PG)D_2産生が抑制され,これがcPLA_2の活性低下によることを見出した.さらにこの機構を検索した結果,セラミドはorthovanadate感受性のprotein tyrosine phosphataseの活性化を引き起こし,この活性化により,cPLA_2の活性化を引き起こすmitogen-activated protein kinase活性の低下が生じるためであることを示した. 3.マクロファージ系細胞株のRAW264.7細胞に酸化LDLを作用させると,cPLA_2の活性化による脂肪酸の遊離に依存してコレステロールエステル(CE)が蓄積すること,一方でセラミドのde novo合成が促進されることを見出した.今後このセラミド産生とcPLA_2の活性化,およびCE産生との関わりを追求する.
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Research Products
(1 results)