2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12672142
|
Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
白形 由美子 財団法人癌研究会, 癌研究所遺伝子研究施設部, 研究員 (60179041)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 克郎 財団法人癌研究会, 癌研究所遺伝子研究施設部, 部長 (30085625)
|
Keywords | B型肝炎ウルス / x遺伝子 / 細胞死 / 癌化 / ミトコンドリア / 活性酸素 / タンパク質導入 |
Research Abstract |
B型肝炎ウイルスXタンパク質はミトコンドリアに局在し、細胞死を誘導するが、そのミトコンドリアへの局在が細胞死誘導能と非常に強い相関があることを種々のXタンパク質変異体を用いて解析した。その結果、Xタンパク質の68-117アミノ酸がミトコンドリアへの局在に重要であること、また、その部分だけで細胞死を誘導することを明らかにした。また、Xタンパク質はHIV TATタンパク質のように培地に直接添加することによって、細胞内に導入することが報告されていたが、Xタンパク質の変異体も作製し、細胞内への導入を検討したところ、作製した変異体すべてが細胞内へ導入された。現在、Xタンパク質のどの部分が細胞内導入に必須であるかを解析している。さらに、この系を用いて、Xタンパク質により細胞死が起こる過程を解析した。Xタンパク質を導入すると、細胞死誘導に先立っで細胞内ATPの急激な減少、活性酸素の生成が観察された。このことから、Xタンパク質導入によって、DNA損傷が起こっている可能性が考えられたので、コメットアッセイによって、細胞DNAの損傷を調べた。その結果、Xタンパク質導入に伴って、DNA損傷が見られ、これは、活性酸素生成を抑える薬剤により抑制された。そこで、Xタンパク質導入により突然変異率が増加するか調べたところ、コントロールに比べ、有意に突然変異率の増加が観察された。これらの結果から、Xタンパク質はミトコンドリアに局在し、活性酸素生成を引き起こすことによって、細胞死とともに、細胞の癌化をも誘導することが示された。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Y.Shirakata, K.Koike: "Mechanism of cell death caused by hepatitis B virus X protein"Apoptosis 2003. January. 616 (2003)
-
[Publications] Shengliang Zhang: "A new ERK2 binding protein, Nafl, attenuates the EGF/ERK2 nuclear signaling"Biochem.Biophys.Res.Comm.. 297. 17-23 (2002)
-
[Publications] T.Hara: "p53, Mitochondria and Drug Development"The 5th International Conference of Asia-Pacific International Molecular Biology Network. November. 54 (2002)
-
[Publications] Tsuchida N: "Erk/mapk signaling in cancer cells and its new downstream binding protein, nafl(nef associated factor) which attenuates the egf/erk2 nuclear signaling"The 5th International Conference of Asia-Pacific International Molecular Biology Network. November. 41 (2002)
-
[Publications] Katsuro Koike: "Circulating RNAs in the Peripheral Blood of Chronc Liver Disease Patients"Australia-Japan Symposium on Biomedical Scieces. February. 61 (2003)
-
[Publications] Koike K: "Hepatitis B Virus Infection and Liver Carcinogenesis"The 25th AMBO International Training Course. Approach to Supra-Molecular Complexes and Their Functions --Glycobiology, Lipid. March. 7-8 (2003)