2001 Fiscal Year Annual Research Report
細胞溶解毒素インターメディリシンの膜結合領域を用いたセルデリバリーシステムの開発-簡便かつ高効率なエフェクター細胞による癌免疫療法の確立を目指して-
Project/Area Number |
12672151
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大倉 一人 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助手 (00242850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長宗 秀明 徳島大学, 工学部, 助教授 (40189163)
堀 均 徳島大学, 工学部, 教授 (90119008)
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Keywords | コレステロール / 細胞溶解毒素 / 感染症 |
Research Abstract |
ILYはヒト細胞に特異的な毒性を示しコレステロールに対する親和性も低くコレステロール結合性細胞溶解毒素(CBC)と大きな相違点を持つ。そこでCBCで細胞膜の認識結合に重要である11mer(システインモチーフ)含有領域をCBC型に変異させたILY変異体を作成し、溶血、種特異性、コレステロール結合性、膜結合性を検討した。 ILY変異体(P→W)及びILY変異体(ILY12mer→CBC12mer)はヒト赤血球に対し強い溶血活性を示したが、ウサギ赤血球を溶血せず、PをWに変化させてもヒト特異性が失われなかった。また、ILY変異体(P→W)は野生型ILY同様、コレステロールに結合せず、PをWに変化させてもコレステロールとの親和性が増大しなかった。ILY変異体(ILY12mer→CBC12mer)ではILYの溶血活性を阻害しないような低コレステロール濃度において顕著な阻害効果が認められコレステロールに対する高親和性が確認された。さらに、野生型ILY12mer領域の双極子モーメントは分子の外側へ向いていたが、ILY変異体(ILY12mer→CBC12mer)では方向が大きく異なっていた。ILY変異体(P→W)では野生型ILY様の双極子モーメントがみとめられた。静電ポテンシャルは、野生型ILY、ILY変異体(P→W)ではフィールド分布に多きな相違はなく、ILY変異体(ILY12mer→CBC12mer)では分布様式が異なっていた。ILYはヒト赤血球上では厚み40〜50Å、内径200〜300Åの環状構造を形成したが、他の動物細胞膜上では環状構造は見られなかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ohkura, K.: "Modification of Cell Response to Insulin by Membrane-Acting Agents in Rat White Adipocytes : Analysis of Structural Features by Computational Simulation"Bioorg.Med.Chem.. 9. 3023-3033 (2001)
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[Publications] Nagamune, N.: "Rapid Identification of Streptococcus intermedius by PCR using the ily gene as aspecies marker gene"J.Med.Microbiol.. (in press). (2002)
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[Publications] Hori, H.: "Design and synthesis of 2,6-diprenyl-4-iodophenol TX-1952 having a novel and potent anti peroxidative activity"Comp.Biochem.Physiol.. (in press). (2002)