2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12672177
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
川島 光太郎 帝京大学, 薬学部, 教授 (20124993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 洋一 帝京大学, 薬学部, 助手 (50286978)
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Keywords | 微小重力環境 / 骨芽細胞 / クリノスタット培養 / アルカリホスファターゼ / オステオカルシン / 低重力環境 / 高重力環境 |
Research Abstract |
長期間の宇宙滞在が近い現在、微小重力環境での細胞の機能変化と薬物の作用を知ることは非常に重要である。そこで本年度は(1)微小重力環境で骨芽細胞の機能と薬物の作用がどのように変化するかを明らかにすることを第一の目的とした。また、我々は高重力が骨芽細胞の機能を促進することを示してきたが、我々が負荷した重力は40-60Gというかなりの高重力であった。そこで、次に年度始めの実験計画に加えて、(2)重力環境の変化の一環として、高重力と微小重力の間を埋めるものとして、我々が日常的に経験している低重力(0.5-1.0G)を負荷したときの骨芽細胞機能の変化を調べ、生理的な重力の影響を明らかにすることを第二の目的とした。 (1)地上で微小重力環境を長く保つことは不可能なので、擬似微小重力環境を創造することがしられているクリノスタット回転培養装置を購入し、実験を行った。擬似微小重力環境は、培養骨芽細胞の増殖には変化を与えなかったが、分化機能(アルカリホスファターゼ活性)を上昇させた。これは我々の予想とは異なるものであった。この結果の解釈も含め、新しい機械のset up、条件設定などで時間をとられ、今年度内にはできなかった実験を引き続き行い、微小重力環境下での骨芽細胞の動態と薬物の作用をさらに明らかにしたい。 (2)低重力負荷により、骨芽細胞の増殖は促進されたが、アルカリホスファターゼ活性、オステオカルシン合成は抑制された。これは高重力負荷の場合と全く反対の現象であった。すなわち、高重力負荷という過激な刺激のもとでは、増殖を抑制することでその刺激に耐え、そのかわりに細胞あたりの分化機能発現を高め、消極的に骨組織の維持を図ろうとするのに対し、低重力負荷では細胞数を増やすことにより積極的に組織を増大させるのではないかと考えられた(文献)。
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Research Products
(1 results)