2002 Fiscal Year Annual Research Report
わが国の病院医療における診療評価手法の確立と普及に関する研究
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12672194
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
寺崎 仁 日本大学, 医学部, 講師 (90227512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅里 良正 日本大学, 医学部, 助教授 (60213485)
大道 久 日本大学, 医学部, 教授 (60158805)
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Keywords | 医療の質 / 病院医療 / 診療評価 / 病院機能評価 / メディカル・オーディット / 医療施設機能 / クリニカル・インディケータ |
Research Abstract |
本年度は、財団法人日本医療機能評価機構が行っている、病院機能評価事業における書面審査項目改定の機会を捉えて、診療機能評価に関わる評価項目の全面的な見直しに深く関与することが出来た。従来用いていた「診療機能評価票」は、我々が10数年前に開発した内容であり、医療技術の進歩や高度化には十分対応できていない可能性があり、これを機会に全面的に内容を見直すことに着手した。昨年度に、医学関係の各学会の協力を得て、合計15学会より総計68名の研究協力者を組織化したが、今年度は3回にわたり検討のための会議を設定し意見の聴取を行った。その際、従来の評価項目についての分析結果を示し、見直しの参考資料として提示することにした。その分析内容によれば、従来、調査項目として示してある各診療領域ごとの医療技術項目は、必要とされる医療技術などのレベルが高まるにつれて実施施設の頻度は減少することが確認され、おおむね妥当な内容となっていることが確認できた。しかし、細部にわたって検討すれば、もう既に行われなくなっている医療行為などが散見され、またより妥当な医療技術項目を抽出すべきとの意見も寄せられ、各領域ごとに見直し担当責任者を指名して、具体的な見直し作業にを行うよう依頼した。さらに、従来は診療領域として設定されていなかった「麻酔科領域」「救急医療領域」「リハビリテーション領域」の3領域を追加して、合計20領域を設定することも考慮しながら作業を進めることにした。現在、この見直し作業は最終的な段階に入っており、次年度以降の病院機能評価に活用される見込みである。 一方、別の研究班が行っている医療事故防止のための「医療安全」に関する検討会にも参画し、医療の質確保の最も基本的な事項であり、診療評価としての具体的な取り組みが求められている課題に対しても、研究領域を広げながら対応している。現在、医療事故等の患者安全に関わる情報収集の手法が確立しつつあり、病院医療の質向上に貢献できる研究成果が得られつつある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 寺崎仁, 大道久, 梅里良正, 他17名: "病院機能評価における診療機能の調査項目に関する研究-書面審査の改定に伴う診療領域別医療技術調査の項目変更について-"病院管理. 第39巻臨時増刊号. 169 (2002)
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[Publications] 大道久, 梅里良正, 寺崎仁, 他5名: "患者安全推進に向けた医療事故関連情報の集積と活用"病院管理. 第39巻臨時増刊号. 205 (2002)
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[Publications] 遠矢雅史, 大道久, 梅里良正, 寺崎仁, 他8名: "認定病院医療事故関連情報提供書の様式と情報管理体制の検討"病院管理. 第39巻臨時増刊号. 206 (2002)
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[Publications] 寺崎 仁: "雑誌「病院」 第61巻第7号 療養病床の機能評価からの視点-病院機能評価における審査方法の変更と評価項目の改定について-"株式会社医学書院(所収). 5 (2002)