2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12672198
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北條 浩彦 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (60238722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
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Keywords | 睡眠・概日リズム障害 / ナルコレプシー / 遺伝子関連解析 / TNF・α / TNFR2 |
Research Abstract |
睡眠・概日リズム障害に関与する遺伝因子の探索・同定のために、患者-対照研究法による遺伝子関連解析を行った。平成12年度では、まず、睡眠障害としてナルコレプシーを対象とした関連解析を行った。我々の以前の研究結果から、Tumor necrosis factor-alpha(TNF-α)遺伝子とナルコレプシーとの有意な関連が示唆されている。TNF-αは免疫系で働く代表的なサイトカインであり、また、睡眠誘導物質としても働いている。このTNF-αと結合し、そのシグナルを細胞内に伝える受容体には二種類あり、一つはTNF-α受容体1(TNFR1)であり、もう一つは受容体2(TNFR2)である。既に、遺伝子変異解析の結果から、TNFR2遺伝子内にアミノ酸置換を伴う単一塩基多型(SNP)の存在が知られている。そこで、今回、このSNPを指標に用いた遺伝子関連解析を試みた。患者群として149名のナルコレプシー患者、対照群として204名の健常者を用いて解析を行った。その結果、患者群においてTNFR2-196R(196番目のアミノ酸がアルギニン)アリル頻度が、対照群のそれと比べて有意に上昇していることが観察された。更に興味深いことに、以前の研究でナルコレプシーと有意な関連が観察されたTNF-α(-857T)アリルとTNFR2-196Rアリルとの組み合わせについて検討してみると、TNFR2-196RとTNF-α(-857T)両方のアリルを持つことで、疾患のリスクがさらに上昇することが観察された。これらの結果は、TNF-α-TNFR2シグナル系がナルコレプシーの病態や発病に関与している可能性を強く示唆している。 その他の遺伝子に関しては、まず、もう一つのTNF-α受容体であるTNFR1遺伝子について関連解析を行う必要がある。この解析については、平成13年度中に実施する予定である。更にその他の障害についても、今現在、解析が進行中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Hohjoh et al.: "Significant association of the tumor necrosis factor receptor 2(TNFR 2) gene with human narcolepsy."Tissue Antigens. 56. 446-448 (2000)
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[Publications] 北條浩彦: "睡眠異常の遺伝因子"遺伝. 54. 8-9 (2000)
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[Publications] Y.Umino,H.Hohjoh,K.Tokunaga: "Novel single nucleotide polymorphisms (SNP_s) at positions 497(T/G) and 829 (T/C) in the human c-FOS gene and haplotype association."Human Mutation. 16. 279-279 (2000)
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[Publications] K.Shishikura,H.Hohjoh,と,Tokunaga: "Novel allele containing a 190 (C→T) nonsynonymous substitution in the N-acetyltransferase (NAT2) gene"Human Mutation. 15. 581-581 (2000)
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[Publications] T.Miyagawa,H.Hohjoh,Y.Honda K.Tokunaga: "Identification at a telomeric boundary of the HLA region with potential for predisposition to human narcolepsy"Immunogenetics. 52. 12-18 (2000)
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[Publications] Y.Takahashi,H.Hohjoh,K.Matsuura: "Predisposing factors in delayed sleep phase syndrome"Psychiatry Clinical Neurosciences. 54. 356-358 (2000)