2000 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス酵素の特性を利用した癌遺伝子治療の効果増強とリポソームベクターの開発
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12672210
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
林 京子 富山医科薬科大学, 医学部, 助手 (60110623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米谷 芳枝 星薬科大学, 薬学部, 助教授 (10231581)
林 利光 富山医科薬科大学, 薬学部, 教授 (40092796)
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Keywords | 遺伝子治療 / 単純ヘルペスウィルス / チミジンキチーゼ / ガンシクロビル / アシクロビル / ポンシジン / スコパドルシオール / bystander効果 |
Research Abstract |
1)被験物質の調製:天然ジテルペノイドであるpcnicicin(PND)とsccpaculcicl(SDC)をそれぞれ植物体から抽出・分離した。SDCは、少量しか植物体に含有されないが、幸いにも関連物質であるsccpaculcic acidBをバイオテクノロジーで大量に生産できた。この物質を化学的に転換して充分量のSDCが確保できた。 2)HSV-TK発現細胞株の樹立:発現ベクターにHSV-TK遺伝子を組み込んだプラスミドをヒト癌細胞であるHeLa細胞にトランスフェクションした。選択培地でクローニングを3回行って、20代以上継代培養してもTKを安定して発現している細胞株を得た。この株を以下の3)〜5)に述べる制癌実験に用いた。 3)in vitroでのbystancer効果:TK発現細胞とTK非発現細胞を1:99,5:95,10:90,20:80の比率で混合した細胞系を調製した。GCVまたはアシクロビル(ACV)の単独投与に比べて、PNDやSDCを併用した場合に有意に細胞毒性が高まり、bystander効果が確認された。 4)in vivcでのPND及びSDCの制癌効果:ヌードマウスにTK発現HeLa細胞を接種後、GCV/ACVの単独投与時とPND/SDCとの併用時の癌の進行を比較した。併用区は、単独投与区に比べて有意の制癌効果を示した。 5)in vivoでのbystancer効果:TK発現細胞を3-10%含むHeLa細胞をヌードマウスに接種して担癌マウスを作成した。PND/SDCの併用によってGCV及びACVの制癌効果は増強された。 6)リポソームベクターの調製:種々の組成のリポソームとプラスミドDNAとのccmplexを調製して、in vitrcでのトランスフェクション効率を検討してきた。数種類のリポソームにベクター機能が期待されることがわかったので、次年度には担癌マウスへのHSV-TK遺伝子の導入効率を評価する予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] K.Hayashi,T.Hayashi,H.D.Sun and Y.Takeda: "Potentiation of ganciclovir in herpes simplex virus thymidine Kinase/ganciclovir administration system by ponicidin"Cancer Gene Therapy. 7巻1号. 45-52 (2000)