2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12672212
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中 充子 三重大学, 医学部, 助手 (10093139)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 宏 三重大学, 医学部, 助手 (20314114)
西村 有平 三重大学, 医学部, 助手 (30303720)
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Keywords | 平滑筋 / S100ファミリー / カルシウム / アクチン / アクチン結合部位 / 収縮制御 / S100C |
Research Abstract |
平滑筋収縮の分子機構は、従来細胞内カルシウムイオンの上昇に始まるカルシウム・カルモジュリン依存性のミオシン軽鎖リン酸化反応で説明されてきた。しかし、近年、細胞内カルシウム濃度と収縮反応が必ずしも直線関係では無いことが明らかとなり、ミオシン軽鎖リン酸化反応以外の分子機構の関与が考えられている。それらの機序の一つと考えられているのがプロテインキナーゼCを介する機序であり、さらにカルデスモンやカルポニンなどのアクチン結合蛋白質によるアクチン側からの調節機序である。我々は未解決な血管収縮機序を解明するため、血管平滑筋に多量に存在するアクチン結合蛋白質、カルポニンの機能に注目し、カルポニンのリン酸化反応をいち早く報告した。一方、われわれは独自に見い出したCa2+結合蛋白質S100Cが細胞骨格にCa2+依存性に結合することをすでに、報告しているが、最近、このS100Cが平滑筋に多量に存在し、アクチンやアネキシンにCa2+依存的に結合し平滑筋収縮に関与している可能性を見い出した。本研究では、平滑筋の収縮機序について2つのアクチン結合蛋白質に注目し、アクチン側からの調節機構を明らかにした。S100CはEFハンド構造を持つS100蛋白質ファミリーの1つであるがこのグループ内にアクチンに結合するものはあるがアクトミオシン系を阻害するタンパク質はS100Cのみであった。更に、新たに、S100Cの標的タンパク質も見いだしているので、平滑筋におけるS100Cの機能とそれらのタンパク質との関連も合わせて検討中である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] A.Kondo: "Transcriptional and post-transcriptional regulation of monocyte chemoattractant protein-3 gene expression in human endothelial cells by phorbol ester and cAMP signalling"Immunology. 99. 561-568 (2000)
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[Publications] Xiao Qing Zhao: "Ca2+-dependent Inhibition of Actin-activated Myosin Atpase Activity by S100C (S100A11) , A Novel Member of the S100 ProteinFamily"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 267. 77-79 (2000)
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[Publications] 田中利男: "血管平滑筋カルシウムシグナリングと薬理ゲノミクス"CLINICAL CALCIUM. 10・8. 928-935 (2000)
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[Publications] 苔庵泰志: "ゼイン由来ペプチドによる環状ヌクレオチドホスホジェステラーゼの活性調節"日本食品科学工学会誌. 47・3. 220-226 (2000)
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[Publications] 中充子: "カルシウム感受性"循環. 205. 2-9 (2000)
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[Publications] 田中利男: "ゲノム創薬科学とファルマインフォマティクス"蛋白質 核酸 酵素. 45・6. 805-810 (2000)
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[Publications] 田中利男: "脳の科学 23"星和書店. 11 (2001)