2001 Fiscal Year Annual Research Report
局所作用型DDS医薬品の局所利用率の薬動学的/薬力学的評価法の開発
Project/Area Number |
12672216
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
黒崎 勇二 岡山大学, 薬学部, 教授 (90161786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 博己 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (60125151)
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Keywords | ドラッグデリバリーシステム(DDS) / 局所体内動態 / 局所利用率 / マイクロダイアリシス / リポ・マイクロダイアリシス / 経皮吸収 / 大腸吸収 / 潰瘍性大腸炎 |
Research Abstract |
薬物療法の最適化を製剤的に支援する薬物送達システム(ドラッグデリバリーシステム,DDS)の開発に際しては,各種DDS機能を特徴付け,それらを科学的に保証する評価法の確立が必要である。 本課題の目的は,局所作用型DDS医薬品の合理的製剤設計を支援する新規製剤評価法として,薬動学的局所薬物動態の評価および薬力学的局所利用率の評価に関する評価系を生物薬剤学的手法と応用薬理学的手法を組み合わせて確立するための基礎的知見を得ることにある。 本年度の研究により下記の新たな知見が得られた。 1薬動学的局所薬物動態の評価 (1)マイクロダイアリシスをイン・ビボ麻酔下のラットを用いた経皮薬物吸収実験系に応用する際に,研究代表者らが考案した親油性の高い薬物の効率的な透析を可能にしたリポ・マイクロダイアリシス法(Lipo-MD法)をゼロ・ネット・フラックス法に応用したリポ・ゼロ・ネット・フラックス法(Lipo-ZNF法)は,高い信頼性で皮膚内の遊離形薬物濃度の推定を可能にした。 (2)前年度の研究でその有用性を明らかにしたIntra-loop-MD法を用いて実験的に作成した潰瘍性大腸炎モデルラットの大腸からの薬物吸収動態を検討し,正常時には薬剤排出系輸送担体として機能しているP-糖蛋白排泄系の寄与が本病態下では認められなくなるものの,透過障壁としての膜機能が変化し,受動的な吸収が著しく低下するため吸収が遅延した。 2薬力学的局所利用率の評価 局所作用型DDS医薬品であるリポPGE1製剤のラット新生仔動脈管拡張作用を速度論的に解析し,脂肪乳剤から遊離されたPGE1だけでなく脂肪乳剤に包含されたPGE1も協作動的に薬効に関与し,本剤が局所作用の面で優れた製剤特性を有することが示唆された。
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