2001 Fiscal Year Annual Research Report
薬物代謝酵素CYP2C9遺伝多型の薬物治療学的意義に関する多変量解析
Project/Area Number |
12672221
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷川原 祐介 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (30179832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 邦彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80327717)
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Keywords | CYP2C9 / CYP2C9*3 / フルバスタチン / HMG-CoA還元酵素阻害剤 / 遺伝子診断 |
Research Abstract |
薬物代謝酵素CYP2C9の遺伝多型の薬物治療学的意義を明確にするために、CYP2C9が主たる代謝酵素とされる高コレステロール血症治療薬フルバスタチン(FL)を取り上げ、ヒトCYP発現系を用いてin vitroで解析するとともに、個々の患者のCYP2C9遺伝子型と薬物濃度並びに治療効果との関係を検討した。 In vitro実験により、FLの主要代謝物のうち5位水酸化体(M2)および脱イソプロピル化体(M5)の生成にはもっぱらCYP2C9が関与する一方、6位水酸化体(M3)の生成にはCYP2C9のほかにCYP3A4も関与すること、また脱イソプロピル-2-プロピオン酸体(M4)の生成にはCYP2C9よりもCYP2E1の関与が大きいことが、それぞれ代謝パラメータとしてのVmax/Km値の解析結果から判明した。このことは、ヒト肝ミクロソームでのCYP2C9あるいはCYP3A4の特異的阻害剤であるスルファフェナゾールやケトコナゾールによる阻害実験結果からも支持された。一方、低活性型アレルCYP209^*3を発現させたミクロソームでは、M2、M3およびM5化の肝固有クリアランスは、野生型であるCYP2C9^*1発現系でのそれに比べ約60〜75%にまで低下することが明らかとなった。 ヒトにおいて、CYP2C9^*3ヘテロ変異群とCYP2C9^*1/^*1群との間には、血中FL濃度および脂質関連の臨床検査値の変動率ともに有意差は認められなかった。このとき、CYP2C9^*3ヘテロ変異群の血中のM3/FL比は低下傾向に、一方M4/FL比は上昇傾向にあった。以上のことから、CYP2C9^*3ヘテロ変異によりFLのM3化代謝活性は低下するものの、CYP2E1によるM4への代謝反応が代償的に高まり、結果としてFLの体内動態および薬効には変動を生じないと考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Tanigawara et al.: "Identification of N-acetyltransferase 2 and CYP2C19 genotypes for hair, buccal cell swabs, or fingernails compared with blood"Therapeutic Drug Monitoring. 23(4). 341-346 (2001)
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[Publications] T.Kita, et al.: "CYP2C19 genotype related effect of omeprazole on intragastric pH and antimicrobial stability"Pharm.Res.. 18(5). 615-621 (2001)
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[Publications] H.Minami, et al.: "Phase I Study of Intravenous PSC-833 and Doxorubicin : Reversal of Multidrug Resistance"Jpn.J.Cancer Res.. 92. 220-230 (2001)
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[Publications] T.Sakai, et al.: "CYP2C19 genotype and pharmacokinetics of three proton pump inhibitors in healthy subjects"Pharm.Res.. 18(6). 721-727 (2001)
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[Publications] T.Kita, et al.: "N-Acetyltransferase2 genotype correlated with isoniazid acetylation in Japanese tuberculous patients"Biol.Pharm.Bull.. 24(5). 544-549 (2001)
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[Publications] 谷川原祐介: "薬物代謝酵素・薬物受容体の遺伝多型と薬剤反応性の個人差"医学のあゆみ. 197. 9-16 (2001)