2002 Fiscal Year Annual Research Report
多様な細胞内Ca^<2+>シグナルに関連するCa^<2+>放出チャンネルの時間・空間的解析
Project/Area Number |
12672223
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Research Institution | SHOWA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小口 勝司 昭和大学, 医学部, 教授 (50129821)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山田 英人 昭和大学, 医学部, 助手 (50266160)
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Keywords | カルシウムイオン / カルシウム放出チャンネル / リアノジン受容体 / 緑色蛍光蛋白質 / 悪性高熱症 / CICR |
Research Abstract |
我々は、全身麻酔の際に使用する吸入麻酔薬が引き金となって筋硬直を伴って高熱を発症する「悪性高熱症(MH)」患者のリアノジン受容体(RyR)をコードする遺伝子上に23種類の一塩基置換の変異を同定し、その内でアミノ酸配列の変異を伴う2種類(14002番目のシチジン塩基がチミン塩基に変異したものでRyR4668番目のアミノ酸であるプロリン(P)がセリン(S)に変異する場合(P4668S)と14512番目のシチジン塩基がグアニン塩基に変異したものでRyR4838番目のアミノ酸であるロイシンがバリン(L4838V)に変異する場合)をMHに関わる原因遺伝子変異と推定した。そこで、これまでの実験で改良を加えた「カセット構造化したウサギ1型RyRのcDNA」を用いて、MH患者のものと相同な一塩基置換変異を導入してMH変異体(P4667SとL4837V:ウサギRyRのアミノ酸番号に対応)を作製した。これらのMH変異体を培養CHO細胞に遺伝子導入・強制発現させて、細胞でのRyR発現量と分布をそれぞれ緑色蛍光蛋白質(GFP)と抗RyR抗体によって同定を試みたところ、MH変異体の発現は、正常のRyRを発現している細胞のものとほぼ同様の細胞内発現分布を示し、その細胞内局在や発現量には正常なものと比べて有意な差は認められなかった。しかし、同様の遺伝子導入した細胞での細胞内Ca2+動態の変化を、蛍光Ca2+指示薬(fura2)を利用した顕微測光法によって解析したところ、RyRの「Ca2+によるCa2+放出(CICR)機構」の促進薬であるカフェインに対する感受性が、14512番目のシチジン塩基がグアニン塩基に変異したものMH変異体(ヒトL4838V型に相当するウサギL4837V型)で有意に増加し、MH病態の発症の原因遺伝子変異となり得ることが示された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hideto Oyamada: "Novel mutations in C-terminal channel region of the ryanodine receptor in malignant hyperthermia patients"Japanese Journal of Pharmacology. 88. 159-166 (2002)
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[Publications] Takuya Kikuchi: "Construction and expression of ryanodine receptor serial deletion clones in Chinese hamster ovary cells"Showa University Journal of Medical Sciences. (印刷中). (2003)