2002 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエをモデルとしたステロイドホルモンによるアポトーシス誘導機構の解析
Project/Area Number |
12672228
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
程 久美子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (50213327)
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Keywords | ショウジョウバエ / ステロイドホルモン / 20-Hydroxyecdysone / アポトーシス / 細胞死関連遺伝子 / 受容体 / 培養細胞 |
Research Abstract |
ステロイドホルモンは発生、ホメオスタシスおよび細胞死に重要な役割を担うことがわかっているが、ステロイドホルモンによるアポトーシス誘導機構については未だよくわかっていない。ショウジョウバエでは、昆虫のステロイドホルモンである変態ホルモン、20-Hydroxyecdysone(HE)の生体内濃度の変化によって細胞死が制御されると考えられている。ショウジョウバエの胚期に起こる細胞死は20-HEの生体内濃度が上昇した時期に、また変態期での細胞死は、ほぼ完全に低下した時期に起こることが報告されている。このような相違は、細胞種によるホルモン反応性の違いを示していると考えられる。申請者は、ショウジョウバエ幼虫の中枢神経系から特殊な方法で細胞株を樹立した。そこで、ショウジョウバエの胚、幼虫型、成虫型の神経系細胞由来細胞株と考えられる細胞株を用い、20-HEの添加または除去により細胞死が誘導される系を確立し、ステロイドホルモンによる細胞死誘導機構を解析した。ステロイドホルモンは転写因子として機能するが、ショウジョウバエ細胞死関連遺伝子の発現も、20-HEによって制御されていることが、まず明らかとなった。細胞死関連遺伝子のうち、reaper, hidの発現量は20-HEによって変化することがわかったが、増加・減少の様子は細胞種によって異なり、しかも、20-HEを加えた時に細胞死関連遺伝子の発現が上昇するものと減少するものがあることがわかった。しかし、細胞死が誘導される時には、共通に両者の発現量が増加した。さらに、20-HE受容体、EcR-A, Bの発現量も細胞種によって異なっていることが明確となり、RNA interference法を用いた結果、EcR-Aを介して細胞死は抑制され、EcR-Bによって細胞死は促進されると考えられ、受容体の種類によって細胞死がコントロールされている可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Hamada T.: "The expression of SCDGF/PDGF-C/fallotein and SCDGF-B/PDGF-D in the rat central nervous system"Mech. Dev.. 112. 161-164 (2002)
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[Publications] Uwo, M.F.: "Replacement of midgut epithelium in the greater wax moth, Galleria mellonela, during larval-pupal moult"Cell Tissue Res.. 308. 319-331 (2002)
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[Publications] Seike M: "The promoter region of the human BUBRI gene and its expression analysis in lung cancer"Lung Cancer. 38. 229-234 (2002)
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[Publications] Doi N.: "Short-Interfering-RNA-mediated gene silencing in mammalian cells requires Dicer and eIF2C translation initiation factors"Curr Biol.. 13. 41-46 (2003)
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[Publications] 高橋史峰: "運動ニューロン生存活性を示す7SL RNAの同定と分布"最新医学. 57. 106-110 (2002)
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[Publications] 程久美子: "哺乳類培養細胞でのsiRNAによるRNAiプロトコル"細胞工学. 21. 1058-1061 (2002)