2001 Fiscal Year Annual Research Report
脳内神経ペプチド・ノシセプチン類による学習・記憶調節に関与する脳内物質の同定
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12672230
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
平松 正行 名城大学, 薬学部, 助教授 (10189863)
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Keywords | nociceptin / dynorphin A / 学習・記憶 / オピオイド受容体 / 抗侵害作用 / 海馬 / prodynorphin mRNA / β-amyloid peptide(25-35) |
Research Abstract |
Nociceptinは,dynorphin A-(1-17)と高い相同性を持つ内因性のペプチドであるが,従来のオピオイド受容体には結合せず、opioid receptor like-1受容体(ORL1受容体)に結合する.我々はこれまでに,dynorphin Aなどκ-オピオイド受容体作動薬が,コリン作動性神経の機能低下を伴う学習・記憶障害を改善することを報告してきた.例えば,β-amyloid peptide(25-35)を脳内投与することにより誘発される学習・記憶障害マウスに対し,dynorphin A(1-13)が改善効果を示すことを報告しているが,これらの作用機序については未だ明確な結論はでていない.Dynorphin Aの誘導体であるdynorphin A(2-13)は,nociceptinと同様オピオイド活性を持たないが,β-amyloid peptide(25-35)による学習・記憶障害を改善した.また,ニコチン性アセチルコリン受容体拮抗薬であるmecamylamineによる学習・記憶障害に対しdynorphin A(2-13)は改善作用を示し,また,mecamylamineによる海馬アセチルコリン遊離抑制作用をdynorphin A(2-13)は抑制した.β-Amyloid peptide(25-35)を投与し,遅発性の記憶障害が発現した時のprodynorphin mRNA発現量には変化は見られなかった.一方,U-50,488Hを,β-amyloid peptide(25-35)を投与する1時間前に投与しておくと遅発性の記憶障害が抑制され,この時,prodynorphinのmRNAの発現量が有意に低下していた.
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Research Products
(1 results)