2000 Fiscal Year Annual Research Report
持続性疼痛モデルにおける大脳皮質電気刺激誘発鎮痛効果に関する研究
Project/Area Number |
12672233
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
黒田 良太郎 近畿大学, 薬学部, 教授 (10161803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川畑 篤史 近畿大学, 薬学部, 講師 (20177728)
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Keywords | 第2次体性感覚野 / 鎮痛 / 電気刺激 / c-Fos / NO / 7-ニトロインダゾール / PAR-2 / ホルマリン疼痛 |
Research Abstract |
臨床的に有効性が認められている大脳皮質第2次体性感覚野(SII)電気刺激鎮痛の発現機序を検討するため、本年度はSII刺激誘発鎮痛を検出しうる持続性疼痛の動物モデルの作成を試みた。 ラットのSII領域に刺激用双極電極を慢性的に植え込み、ホルマリン誘発持続性疼痛におよぼすSII電気刺激の効果を脊髄後角におけるc-Fos発現量を指標として検討したところ、c-Fos発現細胞数の減少傾向は認められたものの有意な効果ではなかった。しかし、SII刺激は、神経型NO合成酵素阻害薬である7-ニトロインダゾールのc-Fos発現に対する抑制効果を明らかに増強した。SII刺激によるこの増強効果はオピオイド系およびノルアドレナリン系に非依存性であったが、脊髄セロトニン系に一部依存していた。 上述のように、ホルマリン疼痛法においてSII電気刺激は7-ニトロインダゾールの効果を増強したが、SII刺激単独では大きな効果を示さなかった。そこで、SII刺激の鎮痛効果をより顕著に検出しうる動物モデルの検索を行った。はじめに、外科的手法によりニューロパチーモデルを作成しSII刺激の作用を検討したが、明らかな鎮痛効果を検出することが出来なかった。次いで、ごく最近一次知覚神経に存在することが報告されたG蛋白共役型プロテアーゼ受容体PAR-2のアゴニストペプチドを利用した新しい疼痛モデルを作成した。今後、このモデルを利用してSII刺激の鎮痛効果を検討したい。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kawabata,A. et al: "Peripheral PAR-2 triggers thermal hyperalgesia and nociceptive responses in the rats"Neuroreport. (in press).
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[Publications] Kuroda,R. et al.: "Somatosensory cortex stimulation-evoked analgesia : potentiation by NO synthase inhibition"Life Sci.. 66. PL271-PL276 (2000)