虚血性心疾患患者における末梢血好中球アポトーシス測定の診断的意義

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12672238
• Research Institution: Gunma University
• Principal Investigator: 小河原 はつ江 群馬大学, 医学部, 助教授 (60134293)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 神田 享勉 群馬大学, 医学部, 助教授 (40261838) ; 森田 公夫 群馬大学, 医学部, 助手 (70240695)
• Keywords: 好中球アポトーシス / 虚血性心疾患 / スーパーオキサイドディスムターゼ活性 / アネキシンV / TNF-α / IL-8 / IL-6 / エルゴメーター

Research Abstract

虚血性心疾患患者における好中球アポトーシス測定の診断的意義について、平成12年度は次のことを明らかにする計画を立てた。現在の研究実績を下記に報告する。
1.虚血性心疾患の病態との関係を解析するため、さらに多くの症例について検討し、運動が末梢血好中球アポトーシスに及ぼす影響の機序を解明する:患者について検討する前に、健康な学生ボランティアの協力を得て、エルゴメーター運動負荷が血液成分に与える影響について検討した。検討項目は血中乳酸濃度、白血球数、ヘモグロビン量、ヘマトクリット値、血小板数、superoxide dismutase(SOD)活性、血中サイトカイン(TNF-α、IL-8、IL-6)濃度および好中球アポトーシス関連マーカー(Annexin V,活性型caspace3およびCD62L)である。現在、この成績を発表すべく論文の投稿準備を進めている。
2.血中各種サイトカイン濃度や可溶性Fas Ligandなどのアポトーシス関連物質の測定などを平行して行い、狭心症と心筋梗塞患者との異なった変動の原因を究明する:来年度も継続して行ってから報告する。平成13年5月に行われる日本医学検査学会にてその成果を口演する予定である。演題名は「虚血性心疾患における好中球アポトーシス」である。
3.虚血性心疾患を侵襲なく間接的に評価する指標として使えるよう、測定方法の簡略化を行う:Annexin Vや活性型caspace 3抗体を用いてフローサイトメトリーを行うことにより、煩雑な操作を必要としないで好中球アポトーシスを評価できることがわかった。Annexin VはTUNEL法と平行して変化することが予備実験でわかったので、今後の検討は上記方法で解析する予定である。