2000 Fiscal Year Annual Research Report
中学校区における介護者セルフヘルブ・グループ活動の成果と住民の福祉意識の変化
Project/Area Number |
12672267
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
百瀬 由美子 信州大学, 医療技術短期大学部, 講師 (20262735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 功子 信州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (20194102)
麻原 きよみ 信州大学, 医療技術短期大学部, 教授 (80240795)
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Keywords | 介護者セルフヘルブ・グループ / 住民主体 / 小地域単位 |
Research Abstract |
【目的】介護者間の交流を図り,介護方法や健康・福祉に関する情報収集,介護者の慢性的ストレスの軽減などをねらいとして全国的に介護者の集いが開催されている。しかし,大勢の中では発言しにくい,会場が遠距離で参加しにくい,形式的で介護不安やストレス軽減につながりにくいなどの問題が指摘されている。そこで,長野県松本市では,行政主導による全市的規模での実施以外に,小地域単位で住民主体による介護者の集いを「地区福祉ひろば」活動の1つとして実施している。本研究の目的は,介護者が特に小地域単位で実施される,「介護者の集い」に参加することの意味を記述することである。 【対象と方法】本年度の対象は,開設後5年を経過したJ地区と本年度より新たに開設したU地区およびD地区の3地区の福祉ひろばで開催されている「介護者の集い」の参加者10名である。データ収集は,「介護者の集い」に参加し会話を記録した。また介護者に対して「集いに参加するようになったきっかけ」,「参加して変化したこと」などについて個別にインタビューし,許可の得られたものは録音し逐語録を作成した。分析は,介護者が「介護者の集い」に参加することの意味に注目し,同じ意味内容を示すと判断された理解可能な単位の言葉や文章を抽出しカテゴリを作成し,比較しながら抽象度を高め構造化した。 【結果】現在までの分析において、参加メンバー間に介護者の集いで話される内容については、口外しないという『暗黙の了解が存在』し、小地域、小グループで日常の介護の困難な状況を話すことにより、メンバー間の『共感』と個人の『精神的負担の軽減』が図られ、『明日への活力』、『介護の継続意志』が得られているという構造が明らかになった。
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