2000 Fiscal Year Annual Research Report
感染看護の観点から院内感染対策をめざした黄色ブドウ球菌抑制の研究
Project/Area Number |
12672280
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
垣花 シゲ 琉球大学, 医学部, 助教授 (50274890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩永 正明 琉球大学, 医学部, 教授 (00112384)
大湾 知子 琉球大学, 医学部, 助教授 (90295311)
植村 恵美子 琉球大学, 医学部, 講師 (00223503)
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Keywords | 黄色ブドウ球菌 / 院内感染 / 保菌者 / 薬剤耐性 |
Research Abstract |
看護婦を対象に3回にわたり鼻腔内細菌叢調査を行った結果、黄色ブドウ球菌は一定の頻度で分離(分離率37%)され、14株がMRSAであった。黄色ブドウ球菌を常に保菌する宿主と常に保菌していない宿主のあることが確認され、継続的な非保菌者の鼻汁と分離された黄色ブドウ球菌を混合培養したが、黄色ブドウ球菌抑制作用は見られなかった。 黄色ブドウ球菌抑制作用を持つ環境細菌を見つけるために、環境中から収集したグラム陽性桿菌のメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)、及びメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する抑制効果を見てみた。方法はブドウ球菌をハートインフュージョン寒天平板に塗沫した後、ハートインフュージョンブロスで培養した環境常在菌をスポットして、発育阻止帯の直径を計測した。 寒天平板上で黄色ブドウ球菌に対する発育阻止がかなり強く見られた環境分離グラム陽性桿菌と黄色ブドウ球菌を混合培養して、その抑制作用を見てみた。混合培養開始後、6時間後では一旦両者とも増殖していたが、その後殺菌が始まり24時間後ではブドウ球菌は10^5/ml以下まで菌数が低下した。混合培養開始時の環境分離菌数は変えずに、ブドウ球菌数を100倍量にして経過を見た場合でも、6時間以降はブドウ球菌の抑制が見られた。 動物体表における環境細菌の黄色ブドウ球菌抑制を見るために、抜毛したマウスの背部2×2cmに、ハートインフュージョンブロスで培養した黄色ブドウ球菌を塗布、乾燥後、ハートインフュージョンブロスで培養した環境常在菌を塗布し、両者の菌の消長を追跡中である。
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Research Products
(1 results)