2002 Fiscal Year Annual Research Report
子ども虐待における保健婦の在宅支援の有効性に関する研究
Project/Area Number |
12672290
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Research Institution | Osaka Prefecture College of Nursing |
Principal Investigator |
上野 昌江 大阪府立看護大学, 看護学部, 助教授 (70264827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 和子 国立保健医療科学院, 公衆衛生看護部, 看護マネジメント室長 (10300922)
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Keywords | 保健師 / 児童虐待 / 家庭訪問 / 質的研究 / 援助技術(スキル) |
Research Abstract |
1.保健師への面接調査の分析の再検討 昨年度の研究で、保健師への面接データから帰納的に導き出されたカテゴリーを虐待問題のある母親への支援をおこなっている保健師や、質的研究者とともに、再度一つ一つの事例をあてはめ、演繹的にデータをみた。カテゴリー、サブカテゴリーの定義とそれらのネーミングについて検討を加え修正し、全体構造図を作成した。その結果、保健師の支援プロセスは、保健師が知覚したしんどさの程度に対応して2段階に分けられた。全体構造は、母親の【しんどさへの支援】を中核カテゴリーとし、15カテゴリー、52サブカテゴリーで構成される。【しんどさへの支援】とは、保健師が母親の身体的、心理的、社会的状況からしんどさという脆弱性があることに気づき、虐待の加害者である母親に焦点をあてて行う支援である。このしんどさは、母親が直接感じているかどうかではなく、保健師が母親の状況から知覚したものである。この支援は、前提条件として保健師が母親に出会った初期に知覚した母親の状況として《しんどさがあることに気づく》ことから始まり、《しんどさに気持ちを寄せる》という支援を行っていく。支援を継続するなかで保健師は、母親のもつしんどさの内容が徐々にわかり、《しんどさの本質を実感する》。それに伴い、支援は《しんどさを軽減する》へと進展する。《しんどさに気持ちを寄せる》から《しんどさを軽減する》支援への進展に、保健師に対する<母親の受け入れにくさ>が、それぞれの支援内容の拡がりに<母親の生活上の変化に着目する>が関連している。 2.研究成果の公表 本研究成果の一部を子どもの虐待へ対応している専門職の研究会である日本子どもの虐待防止研究会第8回学術集会東京大会で発表した。発表の内容は、虐待問題をもつかかわりが難しい母親に対して、保健師は信頼関係を築くためにどのような援助技術を用いているか、信頼関係が構築できたあと、どのような支援を行っているかである。会場からの質疑が活発にあり、本研究成果が実践のなかで求められていることが確認できた。
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Research Products
(1 results)