2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12672292
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
太田 健一 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (20254451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 孝泰 兵庫県立看護大学, 看護学部, 助教授 (40214613)
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Keywords | 遠隔看護 / 身体揺らぎ / ビデオメール / インターネット / 画像処理 |
Research Abstract |
遠隔看護システムでは、患者からの情報通信には通常の電子メールのほか、ビデオメール、バイタルメールを用いる。ビデオメールは、パソコン内蔵ビデオカメラとマイクで撮像したビデオをメールとして、インターネットを経由して地域ケアセンターへ送るもので、患者の表情や音声、必要とあれば患部の状態などを伝達する。バイタルメールは、体温血圧、心拍などのバイタルサインを簡易計測しメールとして伝達する。これらの情報は、あらかじめ患者の優先度を調べる目的と送信する情報量を削減する目的で解析する。 ビデオメールでは、ビデオを各フレーム毎に分解し、患者の表情を解析する。たとえば、苦痛・不安のパラメータとして眉間のしわを計測し、登録済みの平常時の表情と比較することで優先度を決める。また、平常時に近い場合は、フレームを間引くことで情報量を小さくする。バイタルメールでは、患者個人の許容範囲から優先度をランク付けし、表情に現れない情報を互いに補完する。さらに、身体の揺れを、各フレームにおける頭部の位置変化から計測し、変化の様子をカオス解析によって得られるアトラクターの特徴を比較することで優先度を評価した。 このようなシステムのプロトタイプを開発し、その運用を試験的に実施したところ、ビデオメールの撮像条件や、患者の姿勢、患者の態度など、あらかじめ指導しておくことの必要性が確認された。また、患者自身による機器の操作については、簡単な訓練によって操作可能であることも判明した。 本研究の成果は、インターネット経由のフリータイムで遠隔看護を行うシステムであり、これを実現するための、緊急性の高い患者を優先する技術、通信情報量を削減する技術、必要であれば訪問看護の実施までサポートできる地域ケアセンタのバックアップ体制を可能とする。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 川口孝泰: "新しい看護のパラダイムを拓く遠隔看護(telenursing)その意義と世界の動向"看護研究. Vol. 34, No. 4. 277-282 (2001)
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[Publications] 川口孝泰: "次世代型遠隔看護システム構築に向けての取り組み"看護研究. Vol. 34, No. 4. 283-289 (2001)
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[Publications] 川口孝泰: "指尖容積脈波のカオス解析による日周性疲労の評価 遠隔看護におけるバイタル情報の活用"看護研究. Vol. 34, No. 4. 291-298 (2001)
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[Publications] 太田健一: "患者の苦痛表情分析による緊急性評価法 ビデオメールを用いた遠隔看護システムの構築"看護研究. Vol. 34, No. 4. 299-310 (2001)
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[Publications] Ken'ichi Ohta: "Recognition of Postural Rolling of Patient's Body from Video Image for Tele-nursing System"Proceedings of the IASTED International Conference on Applied Informatics (AI2002). (2002)
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[Publications] Ken'ichi Ohta: "Cognition of Priority of Video-mail for Tele-nursing System"Proceedings of the First International Forum on Human Environmental Sciences (HES2002). (2002)