2000 Fiscal Year Annual Research Report
訪問看護活動に不可欠なフィジカル・アセスメント技能の体系化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
12672294
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
山内 豊明 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教授 (20301830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三笘 里香 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助手 (10305849)
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Keywords | アセスメント / フィジカル・アセスメント技能 / 訪問看護 / 現状調査 / フィジカルアセスメント知識 / フィジカルアセスメント使用頻度 / フィジカルアセスメントニーズ / フィジカルアセスメント教育 |
Research Abstract |
本年度は訪問看護場面におけるフィジカルアセスメントの技術・知識の現状把握を試みるために、訪問看護ステーションや保健所等に就業中、あるいはこれから就業しようとする現職の看護職のうち調査への同意を得られた37名を対象とした自記式調査を行った。回答者の臨床経験背景と39のフィジカルアセスメント事項について、知識、使用頻度、ニーズ、の各々について5段階で回答を求めた。 ニーズについては項目間の差はなく、全ての調査項目について必要性が確認された。「絶対に必要である」と回答した者が70%を超えるアセスメント項目は11あり、それらの90%以上は「自分で行なえる程度」に知られており、80%以上が「週に1回以上から毎日」行われていた。ニーズについて「どちらともいえない」と答えた者が30%を超えた項目は7つあったが、これらは自分で行なえるほどの知識はなく使用頻度も低かった。 ニーズについて「あったほうがよい」と回答した者が70%を超えた21項目については、「行なえる程度」に知られている場合には実際の使用頻度は高い傾向を認めた。しかしこの21項目のうちでも瞳孔対光反射、頸動脈拍動、頸静脈怒張の3項目では、知識量と使用頻度が比例しなかった。瞳孔対光反射については95%の者が「行なえる程度に知っている」が、「週1回から毎日は行っている」者は49%に過ぎず、頸動脈拍動についても81%の者が「行なえる程度に知っている」が、使用頻度では「週1回から毎日行っている」が38%で最多を占めた。頸静脈怒張については「行なえる程度に知っている」が「全く行っていないか行ったとしても年に1回未満」という者が54%認めた。 またこれらの傾向は、訪問看護経験の有無や長さ、看護職経験の長さとは、いずれも有意な差異は認められなかった。今後は質問内容とその構成についてさらに検討を行う必要があると考えられた。
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