2001 Fiscal Year Annual Research Report
姿勢の変化における心拍変動のスペクトル解析による自律神経機能評価に関する研究
Project/Area Number |
12672303
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Research Institution | Saitama Prefectural University Junior College |
Principal Investigator |
横井 郁子 埼玉県立大学短期大学部, 講師 (90320671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横井 喜充 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50272513)
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Keywords | 高齢者 / 離床支援 / 座位保持 / ベッドアップ試験 / 起立性低血圧 / 自律神経活動 / 心拍変動 |
Research Abstract |
本年度は高齢者対象に段階的なベッドアップ試験を行った。対象はK市シルバー人材センターに登録している方々で、実験内容に同意を得られた方を対象とした。また、糖尿病など自律神経系の疾患のない者とした。対象の平均年齢は70.78±4.69歳、男性11名、女性7名の計18名である。人材センターでは主に屋外の仕事に従事し、その他、日常的にウォーキングの実施や健康増進センターに帳っている方々であった。 実験は環境を調整した部屋で午前中に行った。飲食などについても調整し、非侵襲的連続血圧計と心電図を取り付け、ベッド上で安静を保持し身体を整えた後、測定を開始した。採取したのはベッド上で上半身部分だけを0°、30°、60°と変化させた、それぞれ5分間のデータである。その結果、心拍数は0°時に比べ30°、60°で有意に減少した(p<0.05)。血圧は収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧すべてにおいて心拍数と同様に0°時に比べ有意に減少した(p<0.05)。また、30°と60°においても有意差が認められた。この間、被験者の中で低血圧症状を訴えた者はいなかった。このような座位時において低血圧の現象が生じているにもかかわらず、自律神経活動指標となる心拍変動のスペクトル成分では、角度の変化に伴う変化が認められなかった。十分休憩後、カフェイン飲料(アイスコーヒー、市販品)を摂取し同様の実験を行った。その結果、心拍数は角度の変化にかかわらず、ほぼ一定の値を示した。血圧は、収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧すべてにおいて、0°時と比べ60°において有意に減少した(p<0.05)。その他の角度では有意差は認められなかった。心拍変動のスペクトル成分は今回も大きな変化はみられなかった。
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