2001 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者排尿自立支援行動療法適用のためのスクリーニング開発と有効性の検討
Project/Area Number |
12672311
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 和佳子 山形大学, 医学部, 教授 (30272074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 睦子 山形大学, 医学部, 助手 (70312733)
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Keywords | 要介護高齢者 / 尿失禁 / 非侵襲的膀胱機能評価 / 排尿チャート |
Research Abstract |
介護老人保健施設における有失禁高齢者の非侵襲的膀胱機能評価法の検討について 【目的】介護老人保健施設において、尿失禁発症予備群として要介護度Iの高齢者を対象に、包括的アセスメントと排尿チャートを解析し、尿失禁の危険因子を抽出する。【対象者】山形市内にあるS介護老人保健施設に入所している要介護度Iの高齢者のうち、調査協力への同意が得られた7名。性別の限定はしなかったが、対象者は全員女性であった。【調査方法】対象者の年齢・性別・身長・体重・既往歴・服薬状況・排便状況・MDS選定領域について施設のカルテより収集。ADLを機能的自立度評価法(Functional Independence Measure:FIM)により測定、下部尿路症状を面接にて聞き取りを行った。排尿チャートについては、対象者1名について3日間、8-18時の10時間測定。排尿時間・排尿回数・1回ごとの尿意の有無と排尿量および膀胱内残尿量、有効膀胱容量、失禁の有無と程度、水分摂取量を調査した。残尿量は、ポータブル超音波測定装置BVI5000を用い、有効膀胱容量は、排尿量/(排尿量+残尿量)×100%で算出した。また、多量に残尿が貯留した対象者については、尿一般検査、中間尿の細菌培養を行い、尿路感染の有無について調査した。【結果】(1)包括的アセスメントと排尿チャート解析の結果、尿失禁危険因子として、年齢・既往歴・ADL自立度および移動能力の有無・服薬状況・残尿・有効膀胱容量の減少・尿路感染の有無が各々の対象者に対し多様に存在していた。(2)対象者の危険因子として、脳梗塞と有効膀胱容量の減少が共通して認められた。特に、一事例については、残尿量が最小463ml-最大703ml貯留し、有効膀胱容量が最小17.8%-最大36.3%と著しく減少しており、失禁出現の可能性の著しく高い状況にあることが明らかになった。
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