2003 Fiscal Year Annual Research Report
要介護高齢者排尿自立支援行動療法適用のためのスクリーニング法開発と有効性の検討
Project/Area Number |
12672311
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
佐藤 和佳子 山形大学, 医学部, 教授 (30272074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小竹 佐智代 山形大学, 医学部, 助手 (00295388)
坂本 祐子 山形大学, 医学部, 助手 (20333982)
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Keywords | Prompted Voiding(排尿自覚刺激行動療法) / (痴呆性)要介護高齢者 / 排尿機能と排尿障害 / 自発的尿意訴え率と尿失禁比率 / 事例検討 |
Research Abstract |
本年度の研究目的である、Prompted Voiding(排尿自覚刺激行動療法)のわが国への導入と、適用のためのスクリーニング法の開発と有効性の検討について、以下の検討を行った。 1.排尿量日誌による要介護高齢者における排尿障害の分類と排尿機能の実態の分析 2.痴呆性高齢者に対する排尿自覚刺激行動療法(Prompted Voiding)の導入にむけた尿失禁率、自発的訴え率に関する基礎調査 3.在宅におけるPrompted Voiding(排尿自覚刺激行動療法)事例検討 (結果) 研究目的1 山形市内のA介護老人保健施設に入所する有失禁高齢者のうち、本人および家族に同意の得られた24名を対象として、対象者1名につき、8-20時の排尿状況を観察し、排尿回数・失禁回数・失禁量・尿意発現率・失禁率・残尿量・有効膀胱容量による排尿機能の分析と、排尿障害診断質問表(名古屋大学)による排尿障害の分類を行った。 その結果、機能性尿失禁に蓄尿障害・排出障害を重複しているものが41.7%を占め。2種類以上の重複者が20.8%を占めた。また、機能性尿失禁の他に排出障害が重複しているものは、「機能性尿失禁のみ」と比較して排出機能が、顕著に低下していることが明らかになった。 研究目的2 山形市内のA介護老人保健施設に入所し、痴呆性老人の日常生活自立度判定を受ける有失禁高齢者のうち、本人および家族に同意の得られた31名を対象として、対象者1名につき、8-20時の排尿状況を観察し、排尿動作に関わる身体・認知機能、排尿日誌から排尿の自発的訴え率と尿失禁率を算出し分析した。 その結果、対象者の自発的尿意訴え率は、平均17.9%と低かった。また、自発的尿意訴え率と痴呆性日常生活自立度判定基準とMMSEとの相関は認められず、尿失禁率と有意の中等度の相関(r=-0.54,P<0.01)を示すことが明らかとなった。 研究目的3 在宅におけるPrompted Voiding(排尿自覚刺激行動療法)事例検討を、酒田市に在住する要介護高齢者6例について行った。結果、6例とも尿意・失禁比率・認知機能についてなんらかの改善を示し、初期アセスメントにおける適応基準の有効性が示唆された。
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