Research Abstract |
1,研究対象及び方法:妊娠から出産・産褥5日目の継続的な期間の研究協力に合意を得た72名のうち,出産を終えた29事例のデータを得た.平成13年度出産予定者43名は継続中である。データは,帝王切開,遷延分娩事例など4例を除き,25名のデータを検討した. 2,方法:1)超音波断層装置による方法:乳房の上方,下方と内・外側方の乳房エコーを行った.測定時期と測定回数は,妊娠23週まで1回/4週間,24週から出産までは1回/2週間とした。画像処理ソフトを用いて検討すると共に,母乳分泌量に関与する乳頭,乳輪の形状をデジタルカメラで捉え検討を加えた。2)生体電気インピーダンス測定装置による検証:非侵襲性電極を用いて,乳房組織の構造的,機能的な変化データを求めるため,導電率を求めた.乳腺の導電率は約1.2[s/m]を基準として変化するようであり,脂肪組織と乳腺の導電率から乳汁分泌量との関係を検討中である.3)エストラジオールとプロゲステロンの分泌量への影響を調査中である. 3,妊娠経過中の画像パタンの変化と母乳分泌量と乳房ケア:出産終了した25事例のデータは,乳腺のエコーパタンを四型に分類し,同時に,乳腺組織と皮下脂肪比,乳腺実質と間質比,腺房状態の妊娠経過中の変化を個人内の変動値として,乳汁分泌量と乳房ケアとの関係から検討した。 脂肪比,乳腺実質と間質比は妊娠期を通して余り変化を認めないが,腺房状の構造変化を認めた。腺房の変化が著明な13事例では,児の吸綴良好な10事例が,初回授乳より分泌が良く,入院中の母乳分泌量が経時的に急増した,乳腺のエコーパタンを腺房構造と間質,実質比から四型分類したが,腺房変化のない四型タイプは,乳管開通法,マッサージ法などの乳房ケアを必要とした。腺房構造の変化は乳汁分泌可能な状態への指標になり得ると予測された.また,プロゲステロンは腺房変化に影響を与えると推測された.
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