2000 Fiscal Year Annual Research Report
早期産褥期の母と子の寝床空間環境に関する感性工学的研究
Project/Area Number |
12672326
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Research Institution | Hiroshima Prefectual College of Health Sciences |
Principal Investigator |
後藤 幸子 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (80162163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 敦子 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (70300423)
片山 勢津子 京都女子大学, 短期大学部, 講師 (60164307)
加藤 力 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40111992)
國方 一憲 國方一憲建築設計事務所, 所長
下見 千恵 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助手 (80300424)
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Keywords | 早期産褥期 / 母子同室 / 病室環境 / 母子相互関係性 / 母と子の寝床空間 / 新生児ベッド / 保育行動 / 母子愛着 |
Research Abstract |
本研究の目的は、病産院における母と子の寝床空間機能を採り上げ、母と子の相互関係の心理・情緒的関係性について母性看護学と感性工学的視点からの研究である。 そこで、本年度の研究は、入院中の母と子の寝床環境の実態と環境に対する評価、および情緒的関係性について、寝床環境の評価尺度を作成し看護学生を被験者に調査し要求水準を抽出した。さらに予備実験でビデオカメラにて母子の相互作用の行動を録画し2次元解析しその特性を解析した。 1)まず、この概念を整理するため、早期産褥期における母子関係、母子相互作用、幼児発達、母児同室・異室に関する文献収集、整理、分析を行い現状について把握した。 2)次いで、0〜6歳の子を持つ母親14名に対し、フォーカスインタビューを行いそのプロトコルデータに対し、分析を試みた。その結果、入院中の母親の生活行為や身体状況の良否が母子の愛着形成に大きく関わることを見いだした。 3)プロトコル分析を参考に入院中の時系列経緯と母子愛着に関するアンケート調査を450名の母親に対し実施した。回答率は74.2%。母子の愛着に関わる要因として、「病室形態」「母乳の出」「体調」「母乳の開始時期」「接触のしやすさ」等があげられた。特に、触れることのできる環境条件が重要であることが、分かった。 4)愛着形成に母子の距離感が大きく影響することが分かったため、新生児モデルを用いた母子間距離に関する実験を実施した。母子間には安心感、一体感、不安感など一定の距離特性の存在を導き出すことができた。女子大生44人を対象としたベッドの高さ、空間配置のプレ実験と母と子の寝床空間のニーズ調査では、寝床空間を「ベッドの高さ」「ベッドの配置」が、母子相互の情緒的関係性に影響する因子であることを見いだした。
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