2000 Fiscal Year Annual Research Report
医療背景の変化に伴う術後せん妄の発生状況と予防的看護介入の検討
Project/Area Number |
12672329
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Research Institution | 大分医科大学 |
Principal Investigator |
小幡 光子 大分医科大学, 医学部, 教授 (50264346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒尾 博美 大分医科大学, 医学部, 助手 (00274746)
前川 幸子 大分医科大学, 医学部, 講師 (30325724)
原田 千鶴 大分医科大学, 医学部, 講師 (80248971)
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Keywords | 術後せん妄 / 精神不穏 / 循環器外科病棟 / せん妄の要因 / せん妄の発現予測 / 予防的看護介入 |
Research Abstract |
本研究の第一段階として、内外の術後せん妄の診断・要因に関する文献をレビューした。かなりの数の先行研究があり、要因についても多面的に検討されていた。術後せん妄は複数の要因が絡みあって出現する病態であり、個々人の生活背景や性格など心理社会的要因などが複雑に作用するため、対象や研究者の立場、入院環境などによって、異なった結果が出ており明確なものは抽出されていない。せん妄の発現予測や予防的介入の難しさが再認識できた。一方で、要因に共通しているポイントもあり以下のように整理できた。 1.せん妄は多要因性であるが、直接原因・誘引因子・準備因子に分類してそれぞれの因子や関連をみている研究が大多数であり、要因分析に活用できる。 2.直接要因は病態や合併症など、準備因子として加齢、血管性障害、脳障害など、誘発因子としては手術、身体的拘束、睡眠覚醒周期障害、疼痛、ストレス、環境変化などがあり、これらの関連を統合的に把握する必要がある。 3.誘発因子はせん妄発現の引き金となる可能性が高く、予防的介入において重要な要素と考えられる。 第二段階として対象施設の患者の遡及的調査を実施する計画であったが、予備調査の過程で現状の診療記録・看護記録の記載内容の不統一性などの問題があり、内容解釈のためのガイドラインの必要性、調査のためのフォーマット洗練の必要性が生じ、現在検討中である。 また、臨床看護スタッフと研究者との共同グループを発足し、術後せん妄の実態を経時的にみていくための方法・内容の検討を並行して推めている。
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