2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12672331
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
吉田 千鶴子 岩手県立大学, 看護学部, 講師 (00305252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 明美 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (60325917)
布佐 真理子 岩手県立大学, 看護学部, 助教授 (60228939)
石川 みち子 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (70151355)
千田 睦美 岩手県立大学, 看護学部, 助手 (90305269)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 看護職員の専門性 / ケアの質の確保 / 看護職とケアワーカーの協働体制 / 専門性形成要因 |
Research Abstract |
科学研究費補助金による研究以前に実施した特別養護老人ホームの看護職員の業務に対する意識調査からは、ホームの看護職員にはキュア・ケアの両面に意欲をもって取り組む(1)看護積極群、日常生活ケアがより重要と考える(2)ケア志向群、医療面を重要と考える(3)キュア志向群、キュアもケアもほどほどにと考える(4)看護消極群の4類型がみられた。その後平成12・13年度に実施した岩手県内10、県外8施設のリーダー看護職への半構成的手法による聞取り調査結果と、13年度に取り組んだSホーム看護職員への関わりを通して、質の高いケアが実施されているホームには以下の特徴があることがわかった。それは(1)施設経営者や責任者のケア理念と指導体制が確立している、(2)看護職リーダーのケア理念が確立し、ホーム責任者やケアワーカーリーダーと連携がとれている、(3)看護職リーダーがキュア・ケアの両面に積極的に取り組んでいることであった。それらの分析結果から、多職種、特に多数の介護職と協働して業務を行わなければならない特別養護老人ホームの看護職員には、(1)高齢者ケアに関する理念が確立し、(2)キュア・ケア両方の技術に精通し、(3)ホーム責任者や介護職との連携・協働がとれること等が示唆された。そしてこれらの要因がホーム看護職員のリーダーに備わっている時に、そのホームの、ケアの質の保障がされ、そのことが、特別養護老人ホーム看護職員の専門性を構成すると考えられた。これらの要因はごく一般的な看護の専門性であるが、しかし多数の介護職と協働して、これからますます重度化が予測されるホーム利用者へのケアには、その看護職の専門性の発揮がより強力に求められる。これらの結論の検証をするために、現在特別養護老人ホーム看護職リーダーに向けての質問紙によるアンケート調査を実施中である。詳細は科学研究費補助金研究成果報告書において報告する。
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