身体疾患を合併した高齢精神障害者ケアにおけるモニタリング機能に関する研究

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12672333
• Research Institution: Fukushima Medical University
• Principal Investigator: 中山 洋子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (60180444)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐藤 るみ子 福島県立医科大学, 看護学部, 助手 (80315671) ; 大川 貴子 福島県立医科大学, 看護学部, 講師 (20254485)
• Keywords: 高齢精神障害者 / 身体合併症 / モニタリング

Research Abstract

本年度は、抗精神病薬の副作用に対する看護についての事例研究や、高齢の精神障害者の身体的な疾患とそのケアについての文献を収集し、身体疾患をもつ高齢精神障害者の研究の動向について検討した。また、多数の長期在院患者が入院している病棟において参与観察を実施するとともに、病棟の看護婦・士に身体的な問題をもつ患者の症状マネジメントを実際にどのように行っているかについての聞き取り調査を行った。この聞き取り調査から、精神障害者がもつ身体的な慢性疾患の治療と看護の経過、高齢の精神障害者が日常的に罹患しやすい疾患、症状の現れ方、患者の身体的な変化についての訴え方、看護婦・士のいつもと違った患者の変化の気づき方、等についての内容分析を行っている。この聞き取り調査の分析を基に、これまでに看護婦・看護士が経験した長期在院精神障害者の身体的な健康問題と必要とされた看護の内容を把握する質問紙作成の準備をすすめている。
また、精神科合併症病棟、内科病棟、痴呆性疾患病棟を除く精神科病棟のなかで内科的疾患をもつ患者のケアの実態を把握するために、(1)病棟の入院患者数や疾患別人数、治療期間が20年以上の患者数、この1年間に発症した身体疾患とその頻度等についての調査票、(2)その病棟における精神疾患に身体疾患を合併した事例をとりあげ、精神疾患名、身体疾患名、年齢、性別、治療期間、入院期間、この1年間の治療・看護経過などを把握する調査票、を作成し、現在、調査対象となる病棟の選定を行っている。