2000 Fiscal Year Annual Research Report
小児がん患者のresillenceとself-esteemに関する研究
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12672342
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
石橋 朝紀子 大分県立看護科学大学, 看護学部, 助教授 (80305838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 礼子 沖縄県立看護大学, 学長 (80010015)
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Keywords | 小児がん / resilience / ストレス / コーピング / self-esteem / サポート |
Research Abstract |
この研究の目的は日本のがん患児のresilienceを調査しその実態を明らかにすることである.子どものResilience Model(Garmezy and Rutter,1983)をもとに、Woodgate(1999)は"思春期のがん患児のResilience Model"を作成し思春期のがん患児がどのようにresilienceを発達させていくかを説明している.さらに、Haase(1997)はがん患児のresilienceをたかめるために影響を与えるとおもわれる3つの要因を明らかにしている.これらの説の要約を下記に示す. 1.患児がストレス〔例、告知、脱毛など〕をうけると 2.保護的要因:1)個人的要因(例、患児のself-esteemなど);2)家族的要因(例、家庭の雰囲気など);3)援助的要因(例、友達や他のがん患児など)が共にはたらき、それによって 3.患児のresilienceがたかめられ、その結果として 4.患児のストレスは適応する方向へと向けられる 調査用紙は保護的要因の3つの因子に関連したもので、患児に対しては、青少年のコーピング方略インタビューガイド(C/ACSIG)・日本版自己概念尺度(青少年用)(SJS-PAS1)・ソーシャルネットワークマップを、また、両親(または父親か母親)に対しては、日本版自己概念尺度(成人用)(SJS-PAS11)・ソーシャルネットワークマップを使用することとした.C/ACSIG・SJS-PAS1・SJS-PAS11に対する信頼性と妥当性はあきらかにされている.調査方法は患児に対しては個人面接法を、親に対しては自記式質問法とした. パイロットスタディはある総合病院の心疾患で入院治療中の10〜18才の患児15名とその父親5名・母親15名におこなった.全ての患児は歩行可能で面接は面談室で行った.その結果は: 1.青少年の対処方式に関する面接は10〜12才の患児には理解しにくい質問がいくつかあり,分かり易い質問内容に変える必要がある 2.日本版自己概念測定尺度については、患者とその親の調査から、この測定尺度の信頼性(Cronbach's alpha)は高い結果を得た 3.ソーシャルネットワークマップは、個人の対人関係を系統的に描くことによって、患者とその親に対する社会的支援のあり方を明らかにすることができた まとめとして、本調査では青少年のコーピング方略インタビューガイドを半構造化面接方を使ってインタビューをする方法に変えることした.また、他の2種類の調査用紙は本調査に使用できると判断した。
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