2002 Fiscal Year Annual Research Report
虚血性心疾患患者の運動を中心とした保健指導プログラムの開発と効果の検討
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12672351
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
二渡 玉江 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 教授 (00143206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春山 早苗 群馬県立医療短期大学, 専攻科・地域看護学専攻, 助教授 (00269325)
青山 みどり 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 講師 (60258887)
中西 陽子 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 助教授 (50258886)
下村 洋之助 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 教授 (50154331)
林 陸郎 群馬県立医療短期大学, 看護学科, 教授 (00156465)
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Keywords | 虚血性心疾患 / 心筋梗塞 / 狭心症 / 日常生活習慣 / 運動量 / 保健指導 / 関連要因 / 相関係数 |
Research Abstract |
平成14年度は,虚血性心疾患で外来通院をしている患者の運動指導前・後、及び1年後の運動量の変化について検討した。さらに、指導前後それぞれの調査時点における運動量の関連要因の分析を行った。分析方法は、運動量の変化は対応のあるt検定を、関連要因の分析はPearsonの積率相関係数を用い、有意水準はP<0.05とした。対象は虚血性心疾患でM病院の循環器外来に定期的に通院し、調査への同意が得られ、かつ3時点の調査すべてに協力が得られた45名(男性36名、女性9名、平均67.5歳)である。主な結果は以下の通りである。 1.運動量の変化 1日平均歩数は運動指導前の5010歩に比べて、指導1ヶ月後は6567歩で有意に増加したが、指導1年後は5689歩で、指導後1ヶ月に比べ有意に減少したものの、指導前に比べると有意に増加した。1日平均平均運動量は、指導前の129kca1に比べて、指導1ヶ月後は176kca1で有意に増加したが、指導1年後は152kca1で、指導後1ヶ月に比べ有意に減少したものの、指導前に比べると有意に増加した。 2.運動量に関連する要因の検討 運動指導前の1日平均運動量および1日平均歩数と有意な負の相関が認められた項目は年齢、正の相関が認められたのは、自己効力感の行動の積極性得点であった。一方、運動指導1年後の1日平均運動量および1日平均歩数と有意な負の相関が認められた項目は年齢、ストレス反応得点で、正の相関が認められたのは、自己効力感の総得点および3つの下位カテゴリ得点であった。 これらの結果は、運動を中心とした生活習慣改善指導を行うことにより指導1ヶ月後では運動量は有意に増加し、適正生活習慣継続の激励や強化を行うことにより、1年後においても指導前に比べて有意に多い運動量が維持されていることを示唆している。さらに効果的な運動指導プログラムを実行するためには、年齢に応じた指導を行うこと、自己効力感を高め、ストレスを軽減するための方法や支援を行うことが必要である。
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