2001 Fiscal Year Annual Research Report
臨床看護場面における看護行為と院内感染に関する研究
Project/Area Number |
12672352
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Research Institution | College of Health Professions, Toho University |
Principal Investigator |
遠藤 英子 東邦大学医療短期大学, 助教授 (80223684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 すま子 東邦大学医療短期大学, 講師 (00331471)
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Keywords | 感染予防予防 / 手洗い / 消毒 / サーベランス / 除菌効果 |
Research Abstract |
今年度は手洗いの除菌効果に関する実験、看護学生の病院実習における手指汚染・ナースの援助過程での手指汚染調査、包交車の清潔度調査を行った。結果は下記の通りである。 (1)手洗いの除菌効果は、固形石けんで79%、スクラブ法による7.5%ポビドンヨードでは80.8%、4%グルコン酸クロルヘキシジンでは98%、ラビング法の0.5%グルコン酸クロルヘキシジン・エタノールは99.9%、0.2%塩化ベンザルコニューム・エタノールでは94.5%であった。7.5%ポビドンヨードではばらつきがみられた。 (2)看護学生の実習終了時、学生の手指からは、MRSAの検出を認め、手洗いの方法に問題があるのではないかと考えられ、これらの結果は市中感染の要因ともなり得る。 (3)気管切開患者の多い脳神経外科病棟での援助・処置の連続性の中で、気管切開部からの喀痰からMRSA、Pseudomonas aeruginosaが検出されている患者の体位変換などの日常生活行動ケアに於いて、今回は患者の保時している菌によるナースの手指への汚染は認められなかった。喀痰の吸引や気管切開部の処置においては、患者が保時している菌と同じと思われる菌のナースの手指への付着が認められ、手洗いと手袋装着の重要性が証明された。 (4)包交車清潔度調査結果は消化器外科病棟(60床)と脳神経外科病棟(40床)において消毒用綿球および容器の交換直後、4・7日目の状況を経時的に調査した結果、交換直後の段階で綿球からの細菌検出がみられ、開封済みの薬液を使用し消毒綿球を作成していることからその扱いにも問題があると思われる。 院内感染に関する環境要因は数多くあり、今回だけの調査では断定的なことが言えず、さらに調査を進め標本数を増やしていくことが必要と考える。
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