2001 Fiscal Year Annual Research Report
戦後核関連科学技術政策に関する日米関係の実証的研究
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12680002
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山崎 正勝 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (20106959)
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Keywords | 日米関係 / 原子力 / 冷戦 |
Research Abstract |
(資料収集と整理) 本年度に収集された資料は,主として米国国立公文書館(メリーランド州カレッジパーク)に所蔵されている国務省関係のもので,以下のような内容である. RG 59 General Records of the Department of State, Special Ass't to the Secretary for Energy and Outer Space. Records Relating to Atomic Energy Matters, 1944-1963, BOX 420-425 これらには1950年代初期から60年代初頭における米国の日本の原子力政策関係に対する基本資料が収められている.これらの資料は,昨年度に収集したアイゼンハワー図書館資料と相補的な関孫にあり,これらの入手により米国側の公式資料の大半が収集されたことになる. 入手資料については,昨年の場合と同様に,整理の上,資料リストなどを作成した. (資料分析) サンフランシスコ条約締結から科学技術庁の成立期までの過程については,大枠的な分析を行い,日本科学史学会の年会(早稲田大学)その他で口頭発表を行った.現資料によって明らかになった事実は,冷戦初期の厳しい東西対立の中で日米政府によって行われた,民主主義科学者協会(民科)所属の左翼的科学者の組織的排除,とりわけ彼らの日本学術会議での動きへの牽制,ビキニ被爆から生まれた日本の原水爆禁止運動の高揚を押さえ込むために政治的に仕組まれた日本への原子炉の強行的導入などである.
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