2000 Fiscal Year Annual Research Report
生産技術の歴史的展開過程に関する技術史的視点からの構造分析
Project/Area Number |
12680005
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
佐野 正博 明治大学, 経営学部, 教授 (70206001)
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Keywords | 生産技術 / 技術史 / 労働手段体系説 / 意識適用説 / IT革命 / 情報システム / インターネット / 情報化 |
Research Abstract |
生産技術の歴史的展開過程に関する技術史的視点からの構造分析のための最初の作業として、道具と機械の区別規定に関する先行研究の再検討、および、技術に関する労働手段体系説論者と意識適用説論者の議論の検討をおこなった。 そうした検討を通じて、道具と機械の区別規定の問題を解くためには生産過程の技術的構成を論じる必要があること、および、労働手段の体系性とは何かを具体的な歴史的場面で論じることがこれまでまだ十分にはなされてこなかったことを再確認した。 次に、生産技術の全体的な歴史的発展段階に関して最近よく主張されている3段階説(すなわち、古代の農業革命、近代の産業革命、そして現代のIT革命=情報技術革命が技術の主要な三つの発展段階をなすという主張)の主張の再検討をおこなった。 そうした再検討に際して、現代のIT革命をどのようなものとして規定すべきかに関する研究をおこない、その予備的検討の結果として、現代に至る情報化の進展を「情報化された組織や集団」のあり方との関係で4段階に区別できること(すなわち、経理・製造・販売管理などの個別部門・個別機能を対象とした閉鎖的で個別的な情報システム化という第一段階、こうした個別的な情報システムを同一企業の内部においてではあれネットワークによって結合しようとした第二段階、専用線・専用ソフトの利用によるものとはいえ企業の枠を越えた情報化を実現した第三段階、インターネット・オープンなソフトの利用によって諸企業と諸個人をシームレスに結びつける情報化を実現した第四段階)を明確にした。
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Research Products
(2 results)