2003 Fiscal Year Annual Research Report
生産技術の歴史的展開過程に関する技術史的視点からの構造分析
Project/Area Number |
12680005
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
佐野 正博 明治大学, 経営学部, 教授 (70206001)
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Keywords | 技術論 / 技術史 / コンピュータ技術史 / CPU技術史 / IT革命 / イノベーション論 / 技術構成要素論 |
Research Abstract |
総合的技術史の構築の予備作業として、「動力」「伝達」「作業」「制御」という4つの技術構成要素の歴史的分化と再結合=相互連関という技術構成要素論的視点から、生産技術の歴史的展開過程に関するケーススタディおよび理論的分析を引き続きおこなった。 今年度は特にIT革命の技術史的位置の明確化を目的として、IT革命を支える技術的基礎をなすコンピュータ技術およびその主要構成部品であるCPUの歴史的形成プロセスに焦点を当てた研究を行なった。 それにより、コンピュータ技術も他の技術と同じような基本的発展構造を持つこと、すなわち、(a)「作業」要素関連の技術発達の先行、および、「動力」要素関連の「後追い」的技術発達(論理素子の技術発達が先行し、それに遅れて動力要素関連の技術が発達する。たとえば論理素子として歯車機構を利用したコンピュータは、「手動」歯車式計算機→「蒸気動力」歯車式計算機→「電気動力」歯車式計算機という形で技術的発達を遂げた)、(b)「作業」要素関連の次なる技術発達による新しい発展(コンピュータ技術のさらなる発展は、「歯車」から「リレー」→「真空管」→「トランジスタ」→「IC」→「LSI」という形で論理素子における技術発展として実現された)という二つの技術史的特徴を持つことを示した。 またインテル社のマイクロプロセッサー4004などCPUの技術革新を契機として、パーソナル・コンピュータ技術がどのような歴史的発展を遂げたのかを、パーソナル・コンピュータの前史をなすマイコン・キット技術からはじめて、1981年のIBM-PCの登場までの技術的発展プロセスを分析し、IBMの技術戦略がMITS社のAltair8800や、Apple社のAppleIIといった製品とほぼ同じ技術的構成の上に構築されたものであることを示すとともに、CPU開発とパソコン技術の歴史的相互連関に関する実証的研究をおこなった。
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Research Products
(1 results)