2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深代 千之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50181235)
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Keywords | シミュレーション / 身体運動 / ブレインサイエンス |
Research Abstract |
身体運動は、自分の意志で運動を始めようとする「自律制御」と、いったん運動が始まったら、他の器官などに同調される「引き込み現象」から構築されている。これまで、身体運動に関わる自然科学的研究は、実際の運動を実験解析して、その基となる脳の意図を探ってきた。これは、脳の意図から始まって体肢を動かすという身体構築の順序とは逆(逆ダイナミクスと呼ばれる)なのに対し、運動発現の基をコントロールして運動を具現させる方法がモデリングとシミュレーションである。 人工知能つまりロボテイクス研究では、「課題を明確に幾つかの部分問題に分割し、それぞれの部分問題を解く情報処理モジュールを構築する。そこからシステム全体を構成する」というアプローチをとる。脳機能の研究においても、このようなアプローチをとり、異なる情報処理のモジュールの存在を仮定し、そのモジュールごとに理解をはかってきた。この研究法の最大の特長は、部分問題が完結している(入力と出力、その変動が予め限定されている)点である。 本年度は、「シミュレーションを用いた身体運動の再構築」について、従来のシミュレーション研究を総括すること(大金と深代、JJBSE2000)と、逆ダイナミクスを用いた基本的運動:垂直跳の解析(Nagano & Fukashiro,JB,JJBSE2000)を行った。次年度以降、この2つの研究方法を融合させてシミュレーションを行い、その結果、脳をコントロールする形で「脳の高次機能」が明らかになれば、と考えている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 大金邦成,深代千之: "シミュレーションによる身体運動の再構築"Jpn.J.Biomech.Sports & Exercise. 4・2. 92-107 (2000)
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[Publications] Nagano,A.,Gerritsen,A.Fukashiro,S: "A reliability analysis of the calculation of mechanical output through inverse dynamics"J.Biomech.. 33・10. 1313-1318 (2000)
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[Publications] Nagano,A.,Fukashiro,S.: "Control of horizontal movement of mass center of body and center of pressure in vertical jumps"Jpn.J.Biomech.Sports & Exercise. 4・1. 2-7 (2000)
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[Publications] Nagano,A.,Fukashiro,S: "Biomechanical comparison of the role of bi-articular rectus bemoris in standing broad jump and vertical jump"Jpn.J.Biomech.Sports & Exercise. 4・1. 8-15 (2000)
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[Publications] Nagano,A.,Fukashiro,S.: "Relationship between mechanical output from individual joints and jump height in sub-maximal to maximal effort vertical jump"Jpn.J.Biomech.Sports & Exercise. 4・1. 16-20 (2000)
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[Publications] 深代千之 他: "スポーツバイオメカニクス"朝倉書店. 153 (2000)
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[Publications] 深代千之,柴山明: "スポーツ基礎数理ハンドブック"朝倉書店. 410 (2000)