2001 Fiscal Year Annual Research Report
様々な動作で、体幹のその長軸回りの回転を生み出す下肢の動作分析
Project/Area Number |
12680016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小島 武次 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 講師 (20111437)
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Keywords | テニス / バックハンド / ゴルフ / ドライバーショット / 野球 / バッティング |
Research Abstract |
テニス、野球、ゴルフ等の打具を用いた運動では、体幹のその長軸周りの回転が、打具に大きな速度を与え、ボール速度を大きくするために重要である。本研究は、これらの運動の打動作について、高速度映画撮影と足の床反力の計測から、体幹の長軸周りの回転を生み出す下肢の働きの仕組みを明らかにすることを目的とした。 テニスについては、大学関東一部リーグのチームに属する選手14名のバックハンドストロークの、そして野球については、東都大学一部リーグチームのレギュラー選手8名のティーバッティングの測定を行った。また、ゴルフについては、レッスンプロ3名と低ハンディのアマチュア2名のドライバーショットの測定を行った。 テニスは、軽度のトップスピンで返球するという条件下での、両手打ち及び片手打ちバックハンドストロークの比較を行った。その結果、主に後脚の股関節伸展筋群と前脚の股関節内転筋群が体幹の回転に貢献していた。両手打ちの場合は後脚の股関節伸展筋群の方が体幹の回転により貢献しており、片手打ちでは前脚の股関節伸展筋群の方がよりその回転に貢献していた。ドライバーショットでの体幹の回転への股関節周りの筋群の貢献のパターンは、基本的にはテニスのバックハンドストロークのパターンによく似ていた。バッティングでの体幹の回転への股関節周りの筋群の貢献のパターンは、テニスのバックハンドストロークのパターンに加えて、前脚の股関節屈曲筋群の貢献も観察された。 テニスのバックハンドストロークとゴルフのドライバーショットでは、野球のバッティングで観察された、前脚の股関節屈筋群の体幹回転への貢献が観察されなかった。この理由は、トップスピンを打っため、または円運動するクラブの向心力を生み出すために、両運動で前脚を伸展させる必要があったためと考えられる。
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