2002 Fiscal Year Annual Research Report
日本人スポーツ選手の周辺を視る能力は劣っているのか
Project/Area Number |
12680026
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小田 伸午 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (10169310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森谷 敏夫 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90175638)
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Keywords | 周辺視野 / 反応時間 / 漸増負荷運動 / AT(無酸素性作業閾値) |
Research Abstract |
今年度は、漸増負荷運動中に周辺視野の反応時間を測定し、運動が周辺視野での反応の早さに与える影響について検討することを目的とした。運動には自転車エルゴメーターを用い、運動条件と対照条件の2条件で行った。運動は40Wより始めて240Wまで3分ごとに40Wずつステップ方式で負荷を増加させ、運動前と運動後を含めて24分間で行った。対照条件では被験者(10名)は10Wの負荷で24分間自転車を漕いだ。周辺視野反応時間は、左右視野角度15度の2箇所に視覚刺激を呈示させ、安静時には3分30秒秒後から測定し、運動条件では、運動前およびそれぞれの負荷開始の1分30秒後から測定した。運動後のみ運動終了の15秒後から測定した。対照条件では、最初の負荷開始の1分30秒後から測定し、その後は3分ごとに測定した。最後の測定は、負荷開始の21分15秒後から測定し、運動条件と同じ時間経過とした。実験中は、両条件下で大腿前部からの筋電図を導出し、酸素摂取量および心拍数を測定し、AT(無酸素性作業域値)を決定した。筋電図の平均振幅値(RMS)、酸素摂取量、心拍数はそれぞれ運動負荷が増加すると上昇し、運動後に低下した。40Wの負荷で運動中の反応時間は運動前と比較して減少したが、その後160Wの負荷まで反応時間に大きな変化はみられなかった。200Wおよび240Wの負荷での自転車ペダリング中の反応時間は安静時と比較して有意に大きい値を示し、240Wの負荷での反応時間は対照群と比較して有意に大きい値を示した。これらの結果より、周辺視野の反応時間は、低強度および中強度の負荷での運動中ではほとんど変化せず、高強度の負荷での運動中に増大することが明かとなった。さらに、被験者がATに達した負荷は160Wで7名、200Wで3名となり(平均172W)、ATを越える付近から運動中の反応時間が増大することが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ando S, Kida N, Oda, S: "Central and peripheral visual reaction time of soccer players〜"Percept Motor Skills. 92. 786-794 (2001)
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[Publications] Ando S, Kida N, Oda S: "Practice effects on reaction time for peripheral and central〜"Percept Motor Skills. 95. 747-751 (2002)
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[Publications] Ando S, Kokubu M, Kida N, Oda S: "Attention can be oriented to intermediate locations〜"Percept Motor Skills. 95. 806-812 (2002)