2001 Fiscal Year Annual Research Report
女性のトップスポーツリーグの観戦者特性に関する日米比較研究
Project/Area Number |
12680059
|
Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
平川 澄子 鶴見大学, 文学部, 助教授 (40199047)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲澤 眞 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (10188930)
|
Keywords | 女性スポーツ / 女子サッカー / 観戦行動 |
Research Abstract |
日本とアメリカの女性のトップスポーツリーグの運営状況について、資料及び情報の収集を行い、運営状況が最も対照的な女子サッカーリーグにおいてその観戦者を対象とした調査及びスタジアム内での参与調査を実施した。 2001年4月、アメリカで世界初の女子サッカーのプロリーグ(WUSA)が誕生した。6月から8月にかけて、WUSAのマーケットサイズや特性の異なる3チームのホームゲーム3試合において無作為抽出による12歳以上の男女個人を対象とした質問紙調査を実施し、998票の有効回収票を得た。一方、日本の女子サッカーリーグ(Lリーグ)は、全盛期には世界の有名選手を集め、黄金リーグと称されたが、経済状況の悪化にともないスポンサー企業が撤退し、停滞著しい現状にある。7月から11月にかけての公式戦3試合において、WUSAと同様の手法で実施し、314票の有効回収票を得た。 WUSAにおいては、観戦者の62.1%が女性であり、Lリーグの29.3%に比べて、女性の占める割合が極めて高かった。平均年齢は、WUSAでは37.1歳、Lリーグでは35.7歳とあまり差がみられなかった。しかし、男女サッカーの選好については、WUSAでは63.5%が女子サッカーを選好したのに対して、Lリーグでは14.9%に過ぎなかった。アメリカにおいて、女子サッカーが絶大な人気を得ていることが示された。 観戦行動に関わる杜会心理的要因の分析結果から、アメリカにおける女子サッカー人気の背景として、(1)1999年に開催された女子ワールドカップアメリカ大会(WWC99)を契機とする女子サッカー人気、(2)家族や友人と楽しむ健全な娯楽となり得る女子サッカー観戦、(3)若者にとってのロールモデルとして機能するスター選手の存在、(4)女性による「女性スポーツのサポート」という意識、などが推察された。
|