2000 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ合衆国大都市圏におけるエッジシティの形成と都市構造の変化
Project/Area Number |
12680071
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
菅野 峰明 埼玉大学, 教養学部, 教授 (10114208)
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Keywords | アメリカ合衆国 / 都市 / エッジシティ / 都市構造 / アトランタ |
Research Abstract |
アメリカ合衆国の大都市は,1980年代から郊外の中心地が発展して,小売,金融.娯楽,オフィス機能を持つようになり,中心部のダウンタウンとは異なる郊外中心地が出現した.このような郊外中心地はサバーバン・ダウンタウン,アーバン・ビレッジ,エッジシティなどと呼ばれる.本研究では郊外のこのような中心地をエッジシティとして研究対象とした.本年度はまず,エッジシティに関する先行研究のアプローチの仕方を文献によって確認し,またこれらの文献からエッジシティは合衆国の大都市の郊外にかなり多くみられることが分かった.エッジシティは決してサンベルトの都市だけにみられる現象ではなく,中心都市が衰退している大都市圏や,高度成長を続けている大都市圏にもみられる現象であることが確認できた.アトランタ大都市圏では小売業・サービス業・金融・保険・不動産業雇用者数から北部のカンバーランドとペリメーターの2つのエッジシティが認められた.エッジシティの出現は中心部のダウンタウンおよび都市圏の変化と密接な関係があるので,アトランタ大都市圏の拡大を人口と雇用者分布,ショッピングモール・オフィスパーク・インダストリアルパークの分布そして交通網の整備の点から検討した.その結果,アトランタのエッジシティは,インターステートハイウェイI-75とアトランタの環状道路I-285そしてその環状道路と州道400が交差する地点にショッピングモールやオフィスパークが建設されたことが発展の契機となったことが明らかになった.さらに,これら2つのエッジシティの形成過程を明らかにするために1980年のセンサスと1990年のセンサスを用いて,2つの地区の変化を人口,民族,所得,住宅価格などの側面から考察した.
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