2002 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカ合衆国大都市圏におけるエッジシティの形成と都市構造の変化
Project/Area Number |
12680071
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
菅野 峰明 埼玉大学, 教養学部, 教授 (10114208)
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Keywords | アメリカ合衆国 / 都市 / エッジシティ / 都市構造 |
Research Abstract |
アメリカ合衆国の大都市は、1980年代から郊外の中心地が発展して、小売、金融、娯楽、オフィス機能をもつようになり、都市中心部のCBD(ダウンタウン)とは異なる中心地が出現した。このような郊外中心地はエッジシティとも呼ばれる。本年度は、エッジシティを構成している主要な機能の一つであるオフィスの内容を調査するために、昨年の9月に2週間にわたりペリメーター地区とカンバーランド地区において現地調査を行った この2カ所に立地するオフィスの業種を把握するために、観察を実施したが、看板のでていない会杜が多く、すべてのオフィスの業種を把握するのは不可能であることがわかった。そこで、公開されているデータからオフィスの業種を捉えることにして、種々の団体に照会したところ、ジョージア電力がオフィスの業種別データを所有していることがわかり、そのデータをコピーさせてもらった。それを分析した結果、これらの地区のオフィスの多くはバック・オフィス業務のためだけではなく、この地方、つまり合衆国南東部を管轄するような支社が多いことがわかった。オフィスは、緑豊かな広い敷地の中にあり、駐車場を備えて周りの建物との間隔は十分にとってある。これらのオフィスの分布する地区の中心部に小売、金融、サービス、娯楽機能を備えたショッピングモールが位置する。オフィスを訪れるビジネス客やコンベンション客を受け入れるホテルも立地し、エッジシテイは郊外のショッピングセンターだけではなく、さまざまな機能を有する中心地となっていることが確認できた。このような機能の郊外への集中とエッジシティの形成は、アトランタが合衆国の南東部の経済、金融、サービス業の中心地であることから発生したものと理解することが出来る。
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