2000 Fiscal Year Annual Research Report
現代大都市におけるホームレス問題の実態解明と政策提訊の地理学的貢献
Project/Area Number |
12680081
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山野 正彦 大阪市立大学, 文学部, 教授 (20094493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福原 宏幸 大阪市立大学, 経済学部, 教授 (20202286)
島 和博 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (50235602)
水内 俊雄 大阪市立大学, 文学部, 助教授 (60181880)
丹羽 弘一 富山大学, 人文学部, 助教授 (20272883)
中山 徹 大阪市立大学, 社会福祉学部, 教授 (40237467)
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Keywords | ホームレス / 野宿者 / 都市問題 / 社会問題 / 社会福祉 / 寄せ場 / NPO / 釜ヶ崎 |
Research Abstract |
本年度の活動は,大きく3つに分けられる。ひとつは1998,1999年度に大阪市大で行った,大阪市の野宿生活者調査をまとめ,活字化し,あわせて一般への啓蒙活動を図ることにあった。福原,島はそれぞれこの調査を使い,座談会や雑誌への寄稿を行った。そして大部となった「野宿生活者(ホームレス)に関する総合的調査研究報告書」の一部の記述に,この科研での研究成果を用いた。大阪市以外,地方都市の野宿生活者の現状については,堺市や,北九州市と和歌山県の各都市において聞き取りや概数調査を行う準備調査を行った。第二に,野宿生活者問題に関する国際交流をはかるために,8月にソウルでホームレス問題のワークショップを行い,あわせて現地の運動家との交流もはかった。その成果の一部はまとめて「特集 韓国の野宿者問題」として,雑誌「シェルターレス」に寄稿した。水内,福原,中山のほかに,韓国側からのワークショップ出席者の多くが寄稿し,韓国の野宿者対策の先進性を改めて知る機会となった。第三に,西成の特に釜ヶ崎における新たにおこりはじめたまちづくり運動にブレーンとして大きく関わり始めたこともひとつの成果である。2000年は大阪市の野宿生活者対策が一挙に動き出し,NPOを含めた支援体制に一段と注目されるようになった。本研究グループは,特に自立支援や野宿脱出の高齢者の介護問題を中心に,何度も研究会をもち、その成果を活字化し,来年度にその成果の刊行と,政策の推進の一助となる活動をおこなった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 水内俊雄: "韓国ソウルの都市貧困層の居住問題"Shelter-less. 8. 27-44 (2000)
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[Publications] 福原宏幸: "韓国における野宿者問題の現状と対応策"Shelter-less. 8. 8-20 (2000)
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[Publications] 中山徹: "韓国における野宿者問題と国民基礎生活保障法"Shelter-less. 8. 21-26 (2000)
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[Publications] 福原宏幸: "ホームレスと都市社会"CEL. 53. 58-60 (2000)
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[Publications] 福原宏幸: "大阪市内定着型野宿生活者の生活実態とニーズ"Shelter-less. 5. 3-14 (2000)
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[Publications] 島和博: "野宿者「問題」の現状とその「解決」"地方財務. 555. 1-15 (2000)
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[Publications] 大阪市立大学都市環境問題研究会: "野宿生活者(ホームレス)に関する総合的調査研究報告書"大阪市立大学都市環境問題研究会. 556 (2001)