2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680090
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
江口 卓 高知大学, 人文学部, 教授 (30263966)
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Keywords | 屋久島 / 多雨 / 山岳気候 / 梅雨 / 台風 / 地形性降水 / 低気圧 |
Research Abstract |
初年度である平成12年度は,屋久島における既存データの収集と解析を行うとともに屋久島の黒味岳山頂部に気象ステーションの設置を行った. 1.既存データとしては,研究代表者自身が設置している雨量計,屋久島森林環境保全センターの雨量計,屋久島電工の雨量計,屋久町の雨量計による観測データおよび気象庁のアメダスデータを収集した. それらのデータを基に,屋久島でなぜ雨が多いかを二つのスケールにおいて解析した結果,屋久島が周辺地域より雨が多いのは,3月から6月にかけて,低気圧および梅雨前線によって降水のもたらされる季節に雨が多いことによることが明らかになった.さらに,屋久島内においては,台風時に山地部で海岸部より降水量が多くなることが明らかになった. つまり,3月から6月にかけて,低気圧および梅雨前線によってもたらされる雨が多いことが,周辺地域より屋久島で雨が多いことのベースとなっている.さらに,山地部では台風時の雨が屋久島の海岸部や周辺地域より多く,この雨量が加算されて,7,000mmを越える多雨地域を形成していることが明らかになった. 2.屋久島の黒味岳山頂部に9月に気象ステーションを設置し,通年観測を開始した.11月にデータの回収および保守点検を行い,風向・風速計以外は順調にデータが取得できていることを確認した.風向・風速計についても,保守を行い,観測が正常に行われていることを確認した.
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