2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12680090
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
江口 卓 高知大学, 人文学部, 教授 (30263966)
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Keywords | 屋久島 / 山岳気候 / 気温減率 / 雲霧帯 / 逆転層 / 強風 |
Research Abstract |
本年度は,屋久島の気候環境とその原因を3次元的に明らかにするため,観測データの収集および収集したデータを基に解析を行った. 1.屋久島の山頂部の黒味岳に設置した気象ステーションのデータ回収および保守点検を8月,11月および3月に行った.また,既設の雨量計および温湿度計のデータ回収および保守点検もあわせて行った. 2.屋久島森林環境保全センターなど屋久島で観測を行っている機関において,観測データの収集を行った. 3.上記の1,2で収集したデータを基に解析を行った結果は,以下の通りである. 標高による気温変化は,おおよそ600〜1000mの間で1年を通して大きく,山麓部および山頂部で小さかった.相対湿度は,山麓部および山頂部で低いのに対し,少なくとも600〜1400mの山腹では高く,月レベルでの年変化傾向も同じであった.以上のことから,少なくとも600〜1400mの標高帯で雲霧が発達しやすく,逆転層は1400mより上層に発達しやすいことが予想された.なお,より詳細には,日レベルでの解析を行う予定である. 山頂部の風向・風速に関しては,強風による機器の損傷があり,当初予定していた,年間を通しての観測データの蓄積はできなかった.断片的に得られた風速データによると,山頂部では,台風および低気圧接近時に,平均で20m/s以上,最大瞬間で30m/s以上の強風が記録され,さらに,平均で10m/s以上,最大瞬間で20m/s以上の強風は頻出していることから、山頂部は強風の環境下にあることが明らかになった.
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