2000 Fiscal Year Annual Research Report
過疎地域の独居高齢者の社会的資源とサービスへの接近と利用-社会的ネットワークとの関連-
Project/Area Number |
12680095
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
大塚 洋子 福島大学, 教育学部, 助教授 (60292447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧田 実 福島大学, 教育学部, 助教授 (20229339)
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Keywords | 過疎地域 / 高齢者 / 社会的ネットワーク / 公的サービス |
Research Abstract |
福島県大沼郡金山町に居住する一般高齢者(要介護高齢者と在施設高齢者を除く)を対象とし、過疎地域在住高齢者の公的サービスへのニーズを資源とのかかわりから検討した。 公的サービスのニーズを測定する指標には、「公的サービスに対する知識」「介護が必要になった時どのように生活したいか」「充実すべき施策」を、公的サービスへのニーズに関連する資源の測定には「近隣関係の緊密さ」「生活動作の支障の有無」、「世帯構成」、「緊急時の連絡先」を選び、「資源の多寡で公的サービスのニーズに差異が生じる」という仮説の下で検討を行った。 近隣関係が緊密であると公的サービスに関する知識が豊富であることから、公的サービスに関する知識は近隣関係のネットワークから得られていることが示唆された。近隣関係が緊密であると在宅介護希望が高く、保健福祉サービスへのニーズが高いことが示された。また、保健福祉サービスへのニーズは、三世代世帯において高くなかったことより、家族資源の大きい三世代世帯では、自助努力も可能であることが示唆された。さらに「生活行動への支障がない」という高齢者本人のもつ資源が公的サービスへのニーズと関連していることが明らかになった。すなわち、生活行動への支障がない場合に保健福祉サービスへのニーズが高く、このことから生活行動に支障がない場合は、在宅生活への希望が高いことが示唆された。 これらより、在宅生活のための公的サービスへのニーズは「近隣関係が緊密」、「親族が緊急連絡先」、「親族が緊急連絡先の夫婦のみ世帯」、「生活行動に支障がない」、という資源と関連していることが明らかになった。
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