2001 Fiscal Year Annual Research Report
高年期における夫婦関係および社会関係の再構築に関する研究
Project/Area Number |
12680096
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
長津 美代子 群馬大学, 教育学部, 教授 (20192239)
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Keywords | 中高年期 / 夫婦関係 / 夫婦関係評価曲線 / 危機 / 対処資源 / 個人資源 / 家族資源 / 社会資源 |
Research Abstract |
平成13年度は、昨年度の調査をもとにインタビュー調査を実施した。本調査の目的は、大量調査では把握できない3〜40年近くに及ぶ夫婦としての歴史を夫婦関係の危機との関連で明らかにすることである。また、危機の解決に社会関係がどの程度活用されているかということにも注目をする。 1.対象者:調査に協力してくれたのは、昨年度調査で夫婦関係の再構築得点が高得点(10点満点)の者8名、低得点(3〜6点)の者5名の計13名であった。性別は男性8名、女性5名。居住地は前橋7名、高崎6名。年齢は52〜64歳。調査期間は2001年10月下旬〜2002年1月上旬。 2.方法:結婚から現在までを100点法で評価して夫婦関係評価曲線を描き、曲線の山や谷にはどのような出来事があったのかを記入する用紙を前もって郵送しておく。調査の際にはその用紙を見ながら、特に曲線の谷の部分に焦点をあて、その時期と体験年齢、持続期間、危機の意味付け、危機対処のための動員資源、その後の夫婦関係などを尋ねた。 3.結果:(1)結婚当初の夫婦関係は7-80点近くの高得点から始まっている。(2)曲線は平坦型(4名)と波型(9名)に分かれる。長い結婚生活の中には、一度や二度の波があることがわかる。(3)曲線の山や谷には、家族の出来事だけではなく仕事上の出来事も記入されており、夫婦関係には、夫および妻に生じる人生上のさまざまな出来事が影響する。(4)大きな危機を体験することで、結婚当初より現在の夫婦関係得点が高くなっている(5名)(5)男性は独立・転職・仕事でのつまずきなど職業に関する出来事、女性は介護・配偶者の道楽・子どもの病気・配偶者の浮気など家族経歴上の出来事を夫婦関係に影響する危機的な出来事としてあげている。(6)一人あたり3〜4の資源を活用して危機に対処している。多く活用されたのは解決意欲などの個人資源、次いで家族資源、友人などの社会関係が資源として活用されることは少なかった。
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