2000 Fiscal Year Annual Research Report
学校用ミシンのレンタル制導入提案に関する基礎的調査
Project/Area Number |
12680097
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
鳴海 多恵子 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (90014836)
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Keywords | 被服製作 / 中学校 / 高校 / 学校ミシン / 家庭科教員 / 学習環境 / レンタル制 / 改善 |
Research Abstract |
本研究は、被服製作学習をより楽しく活気あるものにするために、中・高校の被服製作指導における「ミシンをめぐるトラブルや管理等に関する負担」の一つの改善方法として、『学校ミシンのレンタル制』を提案するために、東京都の公立中学校、及び、都立高等学校の家庭科担当教師、各200名を対象にアンケート調査を行い、「ミシン保有の状況」、「ミシンを使った被服製作授業においての生徒・教師の実態」、「『ミシンのレンタル制』についての意識・要望」などを明らかにし、その結果を基に、『レンタル制』の具体案と課題を考察した。ミシン保有状況は、収納や台数、老朽化について、中・高校ともに、「それほど困っていない」、「新規購入も可能であり、現状に満足している」という意見が意外にも多かった。しかし、教師は、「指導に関する負担」、「ミシン管理に関する負担」、「実習室管理に関する負担」を抱えていることが明らかになった。『ミシンのレンタル制』に対する意識は、「補償」に関して最も心配しており、「理想台数、機種が揃って指導がしやすいこと」を効果として期待している。レンタル期間については、中学校は「製作期間中」、高校は「一年中」が多かった。また、自由記述欄には、「新機能・特殊機能を持つミシンを選択授業や授業始めのプレゼンテーションで利用したい」との意見が多く見られた。『レンタル制』実施の際は、「壊したり、紛失した際の補償問題を明確に提示すること」、「レンタル中のトラブル、メンテナンスには迅速に対応すること」、「レンタル機種、期間、台数の変更は随時可能であること」、「ふさわしい料金であること」などを、特に、留意すべき点である。中・高校の教員も『ミシンのレンタル制』に興味を持ち、情報を欲している。今後の課題として、『レンタル制』の実施例や、業者側の意見を集め、『レンタル制』導入への判断材料を増やしていく必要があることが確認された。
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