2001 Fiscal Year Annual Research Report
金沢市中心市街地における居住に関する研究-高齢者・子ども・女性の視点による検討-
Project/Area Number |
12680100
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山岸 雅子 金沢大学, 教育学部, 助教授 (00239873)
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Keywords | 金沢市 / 中心市街地 / 高齢者 / 子ども / 女性 / コミュニティバス |
Research Abstract |
現在、全国の都市で中心市街地の空洞化が大きな問題となっている。金沢市も例外ではなく、中心市街地活性化事業に取り組んでいるが、その中で特に重要だと思われるのは住環境づくりであり、定住の場として魅力ある中心市街地の住環境をつくっていくことが必要であると思われる。そこで本研究では、中心市街地が定住できる住環境となるための示唆を得るために、高齢者、子ども、女性にとっての中心市街地居住の問題点やあり方について検討する。 本年度は平成12年3月に実施した子どもの外遊びの実態および環境に対する不安感、要求について観察調査及び面接調査の集計を行った。その結果、子どもは、多くが車の危険や不審者などに対する不安感を持っていることが明らかになった。特に金沢の細く入り組んだ生活道路内の車の走行には、日常的に危険を感じている。自宅や学校近くの遊び場として、自然を求める一方、むしろゲームセンター、おもちゃ屋、大型スーパーなどの商業施設を望む声が強い。 高齢化する中心市街地において、高齢者が安全で快適により支障なく外出するための有力な手段となりうるコミュニティバス(金沢ふらっとバス)が金沢市内に2ルートある。その利用実態、評価、要求などについて、高齢者を対象に平成13年11〜12月に質問紙調査を実施し集計を行った。その結果、以下のことが明らかになった。「ふらっとバス」の認知度は90%以上と高い。70歳以上の高年齢層や身体機能の低下した者の利用率が高く、「ふらっとバス」への依存度が高い。「ふらっとバス」によって、中心市街地への外出の増加がみられる。また、現状での評価は高いものの、運行ルート、運行時刻、バス待ち環境などについては、いくつかの要求がみられた。
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