2000 Fiscal Year Annual Research Report
身体動作特性解析システムの構築とそれに基づく設計データ計測手法に関する研究
Project/Area Number |
12680113
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岡田 明 大阪市立大学, 生活科学部, 助教授 (30158810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮野 道雄 大阪市立大学, 生活科学部, 教授 (00183640)
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Keywords | 身体負担評価 / 押引動作 / 高齢者 / 性差 / 家庭内事故 / つまずきパターン / 3次元動作解析装置 |
Research Abstract |
平成12年度はほぼ当初の計画通り、システムの構築とそれによる動作解析を試みた。既存の計測システムに長焦点レンズを加え、手指の動きなど身体のより細かい動作計測を可能とした。また、同期ビデオ映像も従来の1画面から2画面同時とり込みを可能とし、異なる方向からの動作の検証をより容易にした。次にこのシステムを用いて以下の2つの実験を行ない、システムによる動作データの取得と解析の質の向上をはかった。 (1)押引動作の身体負担評価:ドアやキャビネットの開閉を想定した上肢による押引動作を対象とし、条件の違いによる負担の大きさを、様々な身体部位の姿勢や筋緊張等の因果関係から検討した。各設定高さにおける最大力発揮時と通常操作時の作用点移動量の違いから身体負担度を比較した。被験者は高齢層、若年層の男女各10名である。まず、高位置での操作に年齢による差異が認められた。これは上肢のみでの操作が難しくなった場合の姿勢保持の柔軟性が高齢者で低下していることが起因すると考えられる。また、腰部より低い位置での操作に性差が見られた。これは作業持続力、背筋力等の差異による影響と考えられる。これらの結果から、負担評価における作用点の有効性が明らかとなった。 (2)つまずきパターンの解析:つまずきに関する室内歩行実験を行なった。解析の焦点は、遊脚の引っ掛け、および3cm段差への乗り上げによるつまずきとした。被験者は健康な大学生男女各15名である。計測結果から、左足のつまずき、乗り上げにより、つまずきパターンを3つに分類できた。最も危険なのは左足が完全に浮いており、つま先と地面のなす角度が垂直に近い状態で障害物に引っ掛かるつまずきタイプであることが明らかとなった。また、このタイプでは大きな性差も観察された。 今後は他の生理データ等との組み合わせによる評価も行ない、さらに応用性と汎用性のある精度の高い解析システムと評価手法の確立を目指す予定である。
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Research Products
(1 results)