2000 Fiscal Year Annual Research Report
牛すね塊肉の加熱時間による肉およびスープの呈味および呈味成分の変化
Project/Area Number |
12680124
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
石井 克枝 千葉大学, 教育学部, 助教授 (80106947)
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Keywords | 牛すね肉 / スープ / 呈味成分 / 味 / 加熱時間 |
Research Abstract |
ポトフは牛すね肉を塊のまま加熱し、スープと肉そのものを合わせて味わう料理である。そのため,肉は軟らかく、うま味を残しつつスープの味もよい加熱時間の設定が重要となる。経験的には加熱時間は3〜4時間がよいとされているが、呈味成分との関係が明らかにされていない。そこで、本研究はポトフのような塊肉の調理に適切な加熱時間をスープと肉の食味と呈味成分から明らかにしたものである。牛すね肉は500gの塊を用い、1、2、3、4、5、6時間の加熱し、スープと肉(内側・外側)の呈味成分を測定した。呈味成分は5′-IMP、遊離アミノ酸、ペプチド、還元糖、乳酸を測定した。また、スープの味及び肉の内側の食味を官能検査によって調べた。以下にその結果を記す。 1.呈味成分ののうち5′-IMPは肉の内側では加熱時間に伴い増加したが、肉の外側では減少した。スープでは4時間まで増加し、それ以上の加熱時間では減少した。 2.還元糖は肉の内側、外側とも3時間まで減少し、その後5時間まで増加した。スープでは加熱時間に伴い減少傾向であった。 3.乳酸は肉の内側での変化は少ないが、外側とスープでは4および5時間まで増加傾向であった。 4.遊離アミノ酸は肉の内側およびスープでは加熱時間とともに減少傾向であった。ペプチド態アミノ酸は肉の内側では加熱時間とともに増加傾向であり、スープでは5時間までは平衡状態で、6時間で最も多く含まれていた。 5.官能検査では肉のうま味は4時間でもっとも強く、スープは3〜6時間のものが同程度に評価された。 以上のことから塊肉を用い肉とスープを食する場合の加熱時間は4時間がポイントになると考えられた。
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